2021 Fiscal Year Research-status Report
Elucidation of a novel regulatory mechanism by interleukin-19 in the pancreatic immune system
Project/Area Number |
21K05959
|
Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
東 泰孝 大阪府立大学, 生命環境科学研究科, 教授 (50298816)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
|
Keywords | IL-19 / 膵炎 |
Outline of Annual Research Achievements |
初年度は,膵炎におけるIL-19の新規調節機構の解明を目的とし,野生型マウス(WT)とIL-19遺伝子欠損マウス(KO)を用いてエタノール(EtOH)誘導性慢性膵炎モデルを作製し,病態を比較検討した.C57BL/6系,雄,7~11週齢のWT及びKOを用い,EtOH誘導性慢性膵炎マウスモデルの作製を4つの方法で検討した.1つ目は,実験期間を4週間とし,EtOHを最終濃度20%自由飲水で与えた.2~4つ目は,実験期間を7週間とし,EtOHを1週目は10%,2週目は15%,3週目以降は20%とし,自由飲水で与えた.LPSを全ての方法において採材までの4週間,週に2回腹腔内投与し,2つ目の方法のみ1週目にも2回腹腔内投与した.LPSの濃度は1つ目から4つ目の順に,1, 4, 4, 3 mg/kgを用いた.全ての方法において,実験開始後は体重とEtOH飲水量をモニタリングした.実験終了時に心採血および膵臓の採材を行い,血中アミラーゼの測定及び膵臓の各種染色により組織像を評価した.全ての方法で,体重,EtOH飲水量,血中アミラーゼにおいて,WTとKOとの間に明確な差は認められなかった.1つ目の方法では,組織像でも変化はみられなかった.2つ目の方法では,初回LPS投与後に死亡したマウスが多かったものの,炎症性細胞浸潤や線維化は認められ,膵腺房細胞に空胞も認められた.3つ目の方法では,初回LPS投与後に死亡したマウスが多く,実験は中止した.念のため採材した膵臓の組織像では,炎症は起こっていなかったが,膵腺房細胞に空胞は認められた.4つ目の方法では,炎症の程度としては弱いものの,炎症性細胞浸潤と,膵腺房細胞の空胞が認められた.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
各種実験条件を検討したが、論文に掲載されているような実験結果を得ることができなかった。今後は、さらに、膵炎発症に関する条件を精査し、まずは野生型においてきちんと膵炎が発症する条件を確立する。その上で、遺伝子欠損マウスの表現系を解析し、病態を比較検討する。
|
Strategy for Future Research Activity |
再現性のある膵炎モデルを作製するため,EtOHの濃度,LPSの濃度や投与回数を検討する予定である.また,定量リアルタイムPCRにより,膵臓組織内の炎症性サイトカイン等のmRNAの発現量の解析も行う.今回は慢性膵炎についての解析であったが,急性膵炎モデルについても検討を進める予定である.
|
Causes of Carryover |
膵炎が論文の既報通り発症せずに、条件検討を繰り返し実施したため、当初の予定通りに進捗しなかったことが理由である。次年度は今年度分と合わせて、より明確な成果を出せるよう実験デザインを綿密に計画した上で実施する。
|