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2021 Fiscal Year Research-status Report

バーチャルスライドを用いた牛呼吸器病症候群病理診断データベースの構築

Research Project

Project/Area Number 21K05965
Research InstitutionNational Agriculture and Food Research Organization

Principal Investigator

木村 久美子  国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 動物衛生研究部門, グループ長補佐 (30391444)

Project Period (FY) 2021-04-01 – 2024-03-31
Keywordsバーチャルスライド / 牛呼吸器病症候群 / データベース / 病理組織学的診断 / 免疫組織化学 / WSI
Outline of Annual Research Achievements

牛呼吸器病症候群(BRDC)は、様々な要因が複雑に関与することによって引き起こされる牛の呼吸器障害の総称である。BRDCでは病原体の分離と病態が一致しないことも多く、病理学的所見も複雑となり、診断が困難な症例も少なくない。本研究では、BRDCの病理組織学的診断精度向上のために、バーチャルスライド(WSI)化した画像を用いて、BRDCの病理組織像を比較できるデータベースを構築し、組織所見から類似症例を容易に抽出する方法を開発する。本データベースの構築は、診断の効率化及び標準化に有用である。
本年度は、牛呼吸器疾患の組織標本の抽出とWSI化,アノテーション,免疫組織化学的検査(IHC)用の抗体作製を行った。
当研究部門で数十年に渡って蓄積された野外症例の標本から肺炎を抽出し、必要に応じて標本の修復をおこなった。また、パラフィンブロックを入手可能な野外症例については特殊染色やIHC等を実施した。これらの標本について、WSI化・アノテーションを行った。今年度は27症例63枚の標本についてWSI化を行った。さらに、WSI化した標本を用いて家畜保健衛生所の病理担当者とWebによるディスカッションを試行した。
また、牛呼吸器病症候群の二次病原体として検出頻度が高いTrueperella pyogenesについてIHC用抗体を作製した。牛の肺及び豚の脳膿瘍から分離したT. pyogenesを用いてウサギを免疫した結果、いずれの免疫原を用いた場合でも非常に力価の高い抗体を得ることができた。これらの抗体はT. pyogenesと強く反応した。31種類の他の細菌との交差反応を検証した結果、ほとんどの細菌と交差反応が認められなかったが、Fusobacterium necrophorumとはわずかな交差反応がみられた。F. necrophorumはグラム染色によって識別可能であると考えられた。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

本年度は牛呼吸器病症候群(BRDC)20症例以上のバーチャルスライド(WSI)化とアノテーション及び免疫組織化学的検査に有用な抗Trueperella pyogenes抗体の作製を計画していた。
病理組織標本のWSI化については現有の標本に加え、BRDCの病性鑑定症例が数例得られたために予定以上の症例のWSI化・アノテーションを行った。現在データの整理、キーワードの設定等を進行中である。また、特異性が高い抗T. pyogenes抗体の作成にも成功し、免疫組織化学的検査への活用が可能となった。
以上のことより、本課題の進捗状況は概ね順調であると判断した。

Strategy for Future Research Activity

R3年度に引き続き、当研究所に所蔵している牛呼吸器病症候群(BRDC)の組織標本について修復、再度鏡検を実施し、バーチャルスライド(WSI)化・アノテーション・キーワードの設定等を行う。また、新たに収集したBRDC野外症例あるいは実験感染症例の組織標本についてHE染色、特殊染色、免疫組織化学的染色等を実施し、WSI化、アノテーションを行い、データを集積する。
また、肺組織内にグラム陽性菌が観察されたBRDC症例についてはR3年度に作製した抗Trueperella pyogenes抗体を用いて二次病原体としてのT. pyogenesの検出率を検討する。

Causes of Carryover

(1)新型コロナ感染症の影響により、各種学会及び研修会がWeb開催となった、(2)T.pyogenes抗体の作成において、予定よりも効率よく抗体の作製ができた、(3)病理組織標本のWSI化の外注にあたって、より安価な委託先を見つけられた.
以上の理由により、経費に余裕ができた。R4年度の経費と併せて病理組織学的解析の経費として使用する予定である。

  • Research Products

    (1 results)

All 2022

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results,  Open Access: 1 results)

  • [Journal Article] 黒毛和種子牛の牛アデノウイルス4型感染を伴うCandida albicans,Aspergillus属菌及び接合菌による深在性真菌症2022

    • Author(s)
      鈴田史子、寺山好美、浦川 了、熊谷飛鳥、木村久美子
    • Journal Title

      日本獣医師会雑誌

      Volume: 75 Pages: e18-e23

    • DOI

      10.12935/jvma.75.e18

    • Peer Reviewed / Open Access

URL: 

Published: 2022-12-28  

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