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2021 Fiscal Year Research-status Report

Understanding molecular mechanism underlying Theileria orientalis transmission in the tick

Research Project

Project/Area Number 21K05968
Research InstitutionHokkaido University

Principal Investigator

林田 京子  北海道大学, 人獣共通感染症国際共同研究所, 助教 (40615514)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 中尾 亮  北海道大学, 獣医学研究院, 准教授 (50633955)
Project Period (FY) 2021-04-01 – 2024-03-31
Keywordsタイレリア / ピロプラズマ / マダニ / 共感染 / RNAseq
Outline of Annual Research Achievements

牛の小型ピロプラズマ症は本邦の家畜牛に広く蔓延し、大きな経済的被害をもたらしている。マダニへの原虫感染成立機序の理解はその防除につながり重要である。しかしながら病原性原虫であるタイレリアオリエンタリスがマダニ中腸、唾液腺内においてどのように感染を成立させているのか、その原虫のマダニ体内における分子機序の詳細は全く明らかではない。本研究は野外マダニ個体内における原虫の共感染実態を明らかにすること、また免疫不全マウス感染モデルを用いたタイレリア感染マダニの感染免疫応答を網羅的遺伝子発現解析によって明らかにすることを主な目的にしている。
今年度は北海道静内地方で飼育されている日本短角種牛から牛血液置換免疫不全マウスを用いてタイレリア原虫を分離することに成功した。さらに、実験室継代フタトゲチマダニをタイレリア感染マウスに吸血させ、吸血後の感染と次発育期において原虫感染が成立していることを確認した。今後、感染マダニ中腸と唾液腺における、マダニ・原虫の双方の網羅的遺伝子発現解析を行う予定である。さらに、小型ピロプラズマ症の発生地域からマダニを採取し、ユニバーサルプライマーを用いてピロプラズマを広く検出し、次世代シーケンサーを用いてピロプラズマ叢を解析した。結果、今回マダニを採集した地域ではタイレリア原虫は検出されなかったが、Babesia属を含む複数の原虫種が検出され、マダニ個体内における多様な混合感染が確認された。さらに、中国でヒトへの感染報告がなされているColpodella属原虫が検出され、新興感染症の原因となりうるマダニ媒介性原虫の北海道における存在が示唆された。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

今年度は本来使用予定であった凍結タイレリア原虫株の血液置換免疫不全マウスへの感染が確認できず、野外牛からの分離からのスタートになった。しかしながら、順調に牛からの再分離に成功し、さらに実験室内にてマダニへの感染成立までの感染実験系が順調に動くことを確認できた。また、メタゲノム的手法で一度に複数の原虫をマダニから検出する実験系を確立し、高解像度で混合感染実態を明らかにすることができた。次年度以降の本解析に向けて順調に準備が進んでおり、今年度の目標は概ね達成したものと判断した。

Strategy for Future Research Activity

牛血液置換免疫不全マウスと実験室マダニを用いた感染実験を行い、感染マダニから継時的に中腸を採取する。また、吸血刺激後の感染期スポロゾイトを含む唾液腺も回収する。これらの微量検体からRNAを採取し、次世代シーケンサー解析に供し、そのマダニと原虫における発現遺伝子の網羅的解析を行い、マダニ原虫間のクロストークを考察する。さらに、野外マダニにおける共感染実態調査もさらに進め、タイレリア感染との相関を解析する予定である。

Causes of Carryover

2021年度は複数回マダニの野外採集をして解析をする予定でいたが、COVID19流行による制限等もあり実際の回数が1回になった。この旅費と解析費用が未使用額として発生したが、2022年度に同内容で使用予定である。

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Published: 2022-12-28  

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