2023 Fiscal Year Research-status Report
Role of mucosal IgA induced by the enterohepatic Helicobacter species infection in intestinal homeostasis
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21K05971
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
山中 仁木 信州大学, 学術研究院総合人間科学系, 准教授 (30533921)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池 郁生 国立研究開発法人理化学研究所, バイオリソース研究センター, 特別嘱託研究員 (40183157)
増山 律子 立命館大学, 食マネジメント学部, 教授 (60297596)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | ヘリコバクター属菌 / 大腸粘膜 / 肝臓炎症 / サイトカイン / 腸内細菌叢 / ハイブリドーマ / IgA |
Outline of Annual Research Achievements |
免疫正常(BALB/c)マウスにおいてH. japonicus (Hj)分離菌の持続感染により、大腸粘膜組織において弱い炎症像は認められるものの、サイトカイン発現等については非感染群と有意差は認められず、肝臓など消化管外組織での検出はされなかった。しかし、非感染群との比較で腸内細菌叢のαおよびβ多様性に有意差を認め、Hj感染により感染初期において粘液や抗菌ペプチド発現に変化を起こし、その後腸内細菌叢の変調(dysbiosis)を誘導する可能性が明らかとなった。 H. mastomyrinus (Hm)分離菌感染では、盲腸および結腸粘膜組織において炎症像を認め、肝臓においても菌が検出され炎症像を認めた。各種サイトカイン(炎症性、Th1、Th2、Treg)の発現については、結腸では非感染群と比較して有意に上昇していたが、盲腸粘膜においては非感染群と比較して抑制傾向にあった。このことから、Hmの粘膜組織深部への侵襲は盲腸あるいは結腸粘膜のいずれかの経路が考えられ、現在粘膜組織における粘液成分MUC2や各種抗菌ペプチド発現について解析を進めている。更に、粘膜組織の侵入経路として細胞間接着因子への影響も考えられ、併せて解析を進めている。Hm感染マウスの腸内細菌叢の多様性解析では非感染群との有意差は認められなかったことから、HjおよびHm感染により誘導されるIgAによる腸内細菌制御についても異なることが予想された。 そこで現在、非感染群のパイエル板および腸間膜リンパ節から分離下リンパ球を用いてハイブリドーマを作成し、複数のクローンを得ることができた。HjあるいはHm感染マウスのリンパ球とのハイブリドーマ作製も現在進めている。 HjおよびHm分離菌のゲノム解析について、ドラフトシークエンス解析は両分離菌共に終了し、現在アノテーション作業等について進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
Hm分離菌のゲノム解析については、菌ゲノム調整のための培養条件設定に時間を要し、当初計画より遅れ、2023年度にドラフトシークエンス解析は終了し、現在アノテーション作業等詳細な解析を行っている。 また、IgAハイブリドーマ作製については、当初計画より半年以上後ろ倒しとずれ込み、2023年度では非感染マウスのハイブリドーマクローンを複数得ることに成功し、現在HjおよびHm感染マウスの消化管リンパ球を用いてハイブリドーマ作製について進行中である。
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Strategy for Future Research Activity |
Hmの粘膜組織侵襲のメカニズムの解明のため、Hm感染BALB/cマウスにおける盲腸および結腸粘膜の粘液および各種抗菌ペプチド発現解析、および感染による細胞間接着因子の発現解析を研究分担者と協力して進めている。 ドラフトシークエンス解析がひと通り終了したHjおよびHm分離菌の解析結果を用いて、HjとHmと異なる因子、特にHjとは異なりHmで認められた組織深部への侵襲関連因子について絞り込みを行う。 HjおよびHm感染マウスの消化管リンパ球とのIgA分泌ハイブリドーマの作製を進め、それらが産生するIgAの認識抗原について解析を進め、HjあるいはHm感染により誘導されるIgAの役割の相違について明らかにする。
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Causes of Carryover |
設備更新工事や他の業務により本研究のために時間を割くことが難しかったため、HjおよびHm感染マウスの作製、それらを用いたIgA分泌ハイブリドーマ作製、粘膜組織反応解析等について、当初計画より半年以上ずれ込み、そのための実験動物および試薬等消耗品の購入費用分として生じた。また、HjおよびHm分離菌のゲノム解析についても当初計画より遅れており、それらの結果を用いた解析のための消耗品購入費用分として生じた。
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Remarks |
基盤研究支援センター動物実験支援部門 https://www.shinshu-u.ac.jp/institution/kiban/i-animal/
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