2023 Fiscal Year Research-status Report
ブタ前核期胚ガラス化保存法の改良とそのゲノム編集技術への応用に関する研究
Project/Area Number |
21K05977
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Research Institution | Azabu University |
Principal Investigator |
柏崎 直巳 麻布大学, 獣医学部, 教授 (90298232)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 潤哉 麻布大学, 獣医学部, 教授 (30454143)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 妊娠 |
Outline of Annual Research Achievements |
家畜において体外胚作製技術や移植技術等は改善されてきているが,胚移植後の妊娠率・受胎率は50%以下と未だ低い.本研究の目的は,『ブタにおける胚着床・妊娠維持因子を明らかにし,その知見をもとに高い妊娠率・多くの出産数に寄与する繁殖技術の開発に応用する』である. 本年度も引き続きブタより取扱が簡便でゲノム編集評価が容易であるマウスを用いて,胚着床関連遺伝子のゲノム編集マウスの作製・解析を試みた.胚着床関連遺伝子として知られている遺伝子Xを含む生殖機能に重要だと考えられる数種類の遺伝子について受精卵を元にゲノム編集を行い,遺伝子欠損マウスを作製した.得られたマウスは,ゲノム編集(遺伝子欠損の有無)についてPCRにより確認を行った.その結果,それぞれの目的遺伝子において,ゲノム編集個体が得られ,目的遺伝子が欠損していることも明らかとなった.また表現型の解析を行ったところ,残念ながらいくつかの遺伝子欠損マウスについては妊孕性の低下は認められなかったものの,別の表現型が得られたことから有用な遺伝子改変マウスとなることが示された.このことから一部の遺伝子改変マウスは,既に理化学研究所のバイオリソースセンターに寄託している. またブタ受精卵を用いたゲノム編集についても行い,エレクトロポレーションの最適条件について検討したが,ゲノム編集された胚は得られず.更なる検討が必要であるとともにより効率的なゲノム編集技術を導入する必要であると考えられた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
少なくともマウスではゲノム編集技術を用いた遺伝子改変マウス個体が得られ,また目的遺伝子の欠損も確認できている.ブタ受精卵においては更なる検討が必要であるが,次年度に更なる成果が期待できるため,この評価とした.
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Strategy for Future Research Activity |
作製した遺伝子改変マウスについては表現型の解析についてさらに進めていく.また,ブタ受精卵についてはゲノム編集を行うエレクトロポレーションの条件の最適化を行うとともに,新しいゲノム編集技術を取り入れることにより,ブタ胚を用いたより効率的なゲノム編集技術の確立を試みる予定である.
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