2023 Fiscal Year Annual Research Report
Integrated understanding of protein function regulated by mucin-type O-glycans
Project/Area Number |
21K05984
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
工藤 崇 筑波大学, 医学医療系, 准教授 (20288062)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 糖鎖 / ノックアウトマウス / 糖転移酵素 / 糖タンパク質 / ムチン型糖鎖 / シアル酸転移酵素 |
Outline of Annual Research Achievements |
コア1構造は、ムチン型O型糖鎖の主要な構成要素であり、膜結合タンパク質や分泌タンパク質に存在する翻訳後修飾によって付加される。コア1構造を合成する酵素であるコア1β1,3-ガラクトース転移酵素(C1galt1)は、その酵素活性のためにC1galt1特異的分子シャペロンであるCosmcが必要である。腎足細胞特異的なCosmcコンディショナルノックアウトマウスを作製し、コア1由来糖鎖の生理的機能を検討した結果、一過性のタンパク尿を伴う巣状分節性糸球体硬化症様の表現型を示すことを明らかにした。しかしながら、一過性のタンパク尿からの回復機構については不明であった。そこで、コア1構造のガラクトースを欠損させることにより、GalNAcにシアル酸が付加され、STn抗原が新たに合成されることによりシアル酸のポジティブチャージがタンパク尿からの回復に関連している可能性を考えた。まず、GalNAcにシアル酸を転移する酵素のうち、糖タンパク質の合成に関与する2種類のシアル酸転移酵素(St6galnac3, St6galnac4)の全身性ノックアウトマウスを作製し、その表現型を解析した。St6galnac3,およびSt6galnac4の単独ノックアウトマウスにおいて外見上異常は見られなかった。St6galnac3,4ダブルノックアウト(DKO)マウスは、生後正常であるように見られたが、特に腸管膜リンパ節において80%の確率で出血が確認された。リンパ節内の高内皮細静脈の血管構造維持にはポドプラニンとClec-2のシアル酸糖鎖を介した相互作用が必要であるが、DKOマウスのポドプラニンはそのシアル酸構造が減少しており、最終的に高内皮細静脈の内皮細胞同士の接着に必須なVE-カドヘリンの減少が生じ、出血することが考えられた。
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