2022 Fiscal Year Research-status Report
新規カニクイザル発生工学技術を用いた栄養膜特異的ノックアウト法の開発
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21K05988
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Research Institution | Shiga University of Medical Science |
Principal Investigator |
岡村 永一 滋賀医科大学, 動物生命科学研究センター, 助教 (30755913)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
水野 直彬 東京医科歯科大学, 高等研究院, プロジェクト研究員 (30815642)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | CRISPR/Cas9 / トランスジェニックマウス |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度はまず、昨年度に作製したCRISPR/Cas9条件付きノックアウトベクターの機能を、培養細胞とマウス個体において検証した。まずは培養細胞においてノックアウトの誘導精度とノックアウト効率を検証した。その結果、"漏れ"によるノックアウトはほとんど生じないことが判明した。また、ベクターを保持する細胞においては誘導依存的に少なくとも90%以上という高い効率でノックアウトを実行可能であることが確認できた。実際に、機能未知な6つの遺伝子座を標的としてノックアウト実験を実施し、1つの遺伝子が細胞増殖に寄与する可能性を見出すことに成功した。続いて、CRISPR/Cas9条件付きノックアウトベクターを保持するトランスジェニックマウスを作製した。出生後個体の全身臓器の解析を実施した結果、ノックアウト非誘導下においてもノックアウトが生じている個体が存在した。従って、マウス個体に適用するためにはより"漏れ"の少ない改良型のベクターを用いることが重要であると考えられ、現在作成を進めている。 次に、我々が至適化した条件を用いて作出したトランスジェニックマウスの品質を検証した。まず、トランスジーンのコピー数をデジタルPCRを用いて解析した。また、細胞間のモザイク性を検証するため、シングルセルレベルでの解析を実施した。その結果、トランスジーンはほぼ全ての細胞で安定に発現することが確かめられ、ファウンダー世代で表現型解析を十分に実施可能であることが示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初作製した誘導型CRISPR/Cas9ベクターは"漏れ"の問題が見出され、新しい構築を作成する必要が出たが、改善版の作成は順調に進んでいることから研究の進展に遅れは生じていない。
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Strategy for Future Research Activity |
研究は概ね順調に進行しており、来年度は実際にAAVを用いて個体レベルでの機能解析を実施予定である。
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Causes of Carryover |
新しいベクターを作成しなおして実験を行う必要が生じ、今年度に予定していた実験の一部がわずかに次年度にずれ込んだため。概ね計画通り研究は進んでいるため、次年度使用額は次年度の早期に使用する。
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Research Products
(1 results)