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2023 Fiscal Year Research-status Report

Evaluation of roles of ubiquitin-specific proteases in NAFLD/NASH pathogenesis using cell-specific gene-engineered mouse models

Research Project

Project/Area Number 21K06001
Research InstitutionRakuno Gakuen University

Principal Investigator

北村 浩  酪農学園大学, 獣医学群, 教授 (80312403)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 岡村 匡史  国立研究開発法人国立国際医療研究センター, その他部局等, 実験動物管理室長 (00333790)
江口 暁子  三重大学, 医学系研究科, 特任准教授(研究担当) (00598980)
Project Period (FY) 2021-04-01 – 2025-03-31
KeywordsNASH / NAFL / USP2 / 糖尿尿 / 酸化ストレス / 骨格筋 / 筋委縮 / メタボリックシンドローム
Outline of Annual Research Achievements

1)前年の検討では、Usp2ノックアウト(KO)マウスにコリン欠乏低メチオニン高脂肪餌(CDAHFD)を1カ月与えると野生型マウスとの間で、握力や空腹時血糖値に有意差が認めらたが、本年、検体数を増やし再検討したところ、有意差は認められなくなった。後肢の4つの骨格筋や肝臓の湿重量にも差がみられなかった。肝臓の糖や脂質の代謝酵素の遺伝子発現を調べたがいずれも有意な差はみられなかった。短期間のCDAHFDによる肝障害にはUSP2はあまり大きな影響を与えないと考えられた。
2) 一方、CDAHFD10週間の給餌では、検体数を増やすと、1割強の握力の低下(P=0.01)がみられた。しかし後肢4つの骨格筋重量には有意な差はなかった。
3) CDAHFD給餌10週間目では肝臓の重量はUsp2KOマウスと野生型マウスで差はなかった。肝硬変様の肉眼所見を示す検体は野生型マウスの方が頻度が高かった。肝臓のRNAseq解析を行ったところ、ステロイド代謝酵素や炎症関連遺伝子のいくつかがUSP2の発現の影響を受けることが明らかになった。
4)CDAHFD給餌により骨格筋で誘導されるミトコンドリア保護タンパク質XとUSP2のダブルノックアウト(dKO)マウスを作成し、CDAHFDを10週間給餌したところ、NASHや肝硬変の頻度が高まることはなかった。XがUSP2欠損を代償しているとは言い難い結果となった。
5)NASHと関連が示される糖尿病におけるUSP2の役割を骨格筋を調べるために、骨格筋選択的USP2KOマウスに糖尿病を起こしたところ、酸化ストレスの蓄積が認められた。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

1. USP2欠損によりNASH個体の骨格筋で代償的に誘導されるXとUSP2の2遺伝子を欠損するマウスを作出し、USP2のNASHにおける役割を明らかにするという、当初の計画より掘り下げた試みに挑戦したが、USP2の役割がより明確化することはできなかった。
2.肝臓から骨格筋に至る機能制御にUSP2が果たす役割については、若干の握力低下を観察したのみで当初予定した進捗が得られたとは言い難い。
3.一方で、肝臓についてはRNAseqや網羅的なqRT-PCR解析により、USP2の欠損がステロイド代謝や肝臓の炎症にUSP2が関わることを明らかにできた。肝臓におけるUSP2の役割は専らがん化との関係について報告されているが、初期の機能制御に関わることが示せたのは意義深い。
4.NASH/NAFLに密接にかかわる糖尿病の時にも筋委縮や筋機能異常がみられるが、USP2の欠損が糖尿病時の骨格筋における酸化ストレスの蓄積を促すことを明らかにした。骨格筋の機能異常は肝障害を悪化させることから、肝障害の制御に骨格筋のUSP2が関わる可能性を示せたので発展性のある知見が得られたといえる。
5.昨年までの研究で視床下部腹内核のニューロンのUSP2が交感神経を介し、肝臓でのグリコーゲン分解を促し、血糖調節することを明らかにするという糖尿病におけるUSP2の役割は明らかにできた。

Strategy for Future Research Activity

1) CDAHFDを10週間与えたマウスで見られた肝臓におけるステロイド代謝酵素や炎症関連分子の発現変動をmRNAおよびタンパク質レベルで検証する。また発現制御に関わる転写因子をin silicoで予測する。
2) 2型糖尿病モデルにおける骨格筋のUSP2の役割をさらに検証する。即ち、酸化ストレス蓄積の原因として考えられる活性酸素産生系および除去系に対するUSP2の役割を培養筋細胞及び、Usp2KOマウスの骨格筋で検証する。また骨格筋選択的Usp2KOマウスのインスリン感受性への影響や、肝臓での糖・脂質代謝についても調べる。これによ骨格筋から肝臓に至るエネルギー代謝制御の側面から、NASH/NAFLに対するUSP2の役割を調べる。

Causes of Carryover

1)2022年度に機関におけるマウスの飼育・実験施設の移動があり実験計画の一部が進められなかった。
2)当初予定していなかった系統の解析や、糖尿病の解析が入り、その予備検討に時間を要した。

  • Research Products

    (5 results)

All 2024 2023

All Journal Article (2 results) (of which Peer Reviewed: 2 results,  Open Access: 1 results) Presentation (3 results)

  • [Journal Article] Flow cytometric detection of CD11b+ Gr-1+ cells in nontumor-bearing mice: A propolis-elicited model2024

    • Author(s)
      Kitamura Hiroshi
    • Journal Title

      Methods in Cell Biology

      Volume: 184 Pages: 17~32

    • DOI

      10.1016/bs.mcb.2023.05.010

    • Peer Reviewed
  • [Journal Article] Ubiquitin-Specific Proteases (USPs) and Metabolic Disorders2023

    • Author(s)
      Kitamura Hiroshi
    • Journal Title

      International Journal of Molecular Sciences

      Volume: 24 Pages: 3219~3219

    • DOI

      10.3390/ijms24043219

    • Peer Reviewed / Open Access
  • [Presentation] 骨格筋のUSP2によるインスリン感受性の制御2023

    • Author(s)
      藤本 政毅, 橋本 茉由子, 高橋 英機, 北村 浩
    • Organizer
      第46回日本分子生物学会年会
  • [Presentation] 骨格筋のユビキチン特異的プロテアーゼ(USP)2によるインスリン感受性の制御2023

    • Author(s)
      藤本 政毅, 橋本 茉由子, 北村 浩
    • Organizer
      第166回日本獣医学会学術集会
  • [Presentation] 視床下部腹内側核のUSP2による血糖値の調節とその仕組み2023

    • Author(s)
      藤本 政毅, 橋本 茉由子, 今野 幸太郎, 戸田 知得, 渡辺 雅彦, 北村 浩
    • Organizer
      第31回日本病態生理学会大会

URL: 

Published: 2024-12-25  

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