2022 Fiscal Year Research-status Report
ヒトRNAポリメラーゼと基本転写因子TFIIHとの複合体の構造モデルの構築
Project/Area Number |
21K06035
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
奥田 昌彦 横浜市立大学, 生命医科学研究科, 特任准教授 (60448686)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | RNAポリメラーゼ / 基本転写因子 / タンパク複合体 / NMR |
Outline of Annual Research Achievements |
RNAポリメラーゼ(RNAP)と基本転写因子TFIIHはどちらも10個以上のサブユニットから成る超分子複合体であり、構造の大部分はX線結晶回折法(X線)やクライオ電子顕微鏡(電顕)によって解かれている。しかし、外に突き出たテールやドメイン等は運動性が高い為に見えない。申請者らは、既知のRNAPとTFIIHのX 線構造解析や電顕構造解析で見えていない領域間の新たな相互作用を見出した。本研究では、見えている領域を含んだ相互作用領域の複合体構造を核磁気共鳴 (NMR)法で決定し、見えていない領域を含むRNAPとTFIIHとの複合体の構造モデルを構築する。本年度は、RNAPサブユニットとTFIIH p62サブユニットの複合体のNMR構造を決定した。13C,15N標識 RNAP サブユニットと非標識 TFIIH p62 サブユニットの複合体と13C,15N 標識 TFIIH p62 サブユニットと非標識 RNAP サブユニットの複合体を調製し、多次元NMR 測定、及び解析を行った。距離、及び二面角制限情報を収集後構造計算し初期構造を得た。精密化を繰り返し、最終構造を決定した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
複合体試料の溶解度はあまり高くなかったものの、950MHz NMR分光器を使用したことにより、高分解能の構造決定に必要十分な分子間NOEシグナルを観測することが出来た。
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Strategy for Future Research Activity |
RNAPとTFIIHとの複合体の構造モデルの構築を行う。TFIIHの全体構造モデル、RNAPの全体構造モデル、およびRNAPサブユニットとTFIIH p62サブユニットの複合体の構造から、RNAPとTFIIHとの複合体の構造モデルを完成させる。
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Causes of Carryover |
(理由) 構造解析や構造計算等に使用する予定のPC等の購入を見合わせた 。 (使用計画) 今年度購入予定のPC等を次年度に購入し、効率的な研究推進に役立てる。
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Research Products
(2 results)