2022 Fiscal Year Annual Research Report
Multi-scale structural analysis of membrane protein in cells by hyperpolarized NMR
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21K06046
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
藤原 敏道 大阪大学, 蛋白質研究所, 教授 (20242381)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 固体NMR / 細胞内分子構造 / 常磁性造影剤 / タンパク質相互作用 / 超偏極核スピン |
Outline of Annual Research Achievements |
相互作用する膜蛋白質に重点を置き細胞を対象にしてマルチスケールにわたる構造解析を行う方法の開発とその応用実証を行った。この課題で重要なのは,最先端のNMR測定法とその応用に最適な細胞試料調製法を組み合わせて解析を行うことである。 NMRの低感度に対しては,温度20Kの高磁場動的核分極法(DNP)を用いて超偏極核スピン状態を作り出し,マジック角試料回転により高分解能NMR感度を5000倍向上させた。このための超偏極クライオNMR装置開発では,冷却Heガス循環法によって実用的で長時間安定して低温によりノイズも削減してNMR感度向上を実現した。これを応用して,感度の低い蛋白質・糖,蛋白質・脂質などについても分子間相互作用をNMR交差信号として検出できるようにした。 従来のin-cell NMR法では,分子量5万以上の蛋白質検出が困難という制約を受けるが分解能で優れる溶液NMRが用いられていた。今回は,その分子量に関する選択性に影響されずに,全ての分子を定量的に測定できる固体NMR法を用いた。これを利用して細胞数計測と組み合わせて1細胞当たりの分子状態を反映した存在量を計測する。これで,運動性の低い膜蛋白質や重合体の構造解析を可能にした。 細胞内の位置測定のために,イメージング法MRIで用いる常磁性造影剤とDNP用分極剤を用いて,細胞内の位置情報をNMR信号強度にエンコードした。このために造影剤Gd3+錯体が局在することで大腸菌表面を内部特別して選択的にNMR測定できることを示した。常磁性緩和促進と1Hスピン拡散により膜蛋白質と膜から離れて細胞内にある蛋白質を区別できることを示した。この解析には,相補的な構造情報を得られる電子顕微鏡細胞観察とも組み合わせた。
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Research Products
(8 results)