2023 Fiscal Year Annual Research Report
The relationship between cystine and glucose metabolism in cancer cells
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21K06065
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| Research Institution | Osaka Metropolitan University |
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Principal Investigator |
加藤 裕教 大阪公立大学, 大学院理学研究科, 教授 (50303847)
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| Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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| Keywords | がん / シスチン / フェロトーシス / 神経膠芽腫 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
がん細胞において、シスチン代謝とグルコース代謝は密接に関係し、互いに影響を及ぼしていることが明らかにされつつある。ところが、その生理的意義や分子メカニズムについてはあまり理解が進んでいないのが現状である。特に、グルコース欠乏時に細胞外からのシスチンの取り込みによって引き越される細胞死が、最近になって、ジスルフィドトーシス（disulfidptosis）と名付けられ、新しいタイプの細胞死として注目されている。本研究において我々は、がん細胞によって引き起こされるシスチン代謝とグルコース代謝の相互作用に焦点を絞り、これまで我々が明らかにしてきたSLC7A11/xCTの機能に関わる一連の分子群の成果をさらに発展させることで、がん悪性化に関わる新たな分子機構の一端を解明することをめざしている。今年度において我々は、１）SLC7A11/xCTによるシスチンの取り込みを阻害することによって引き起こされる細胞死、フェロトーシスに関わる新しい分子メカニズムについて、グルコース欠乏時に活性化されるAMPKの活性化剤として知られている化合物の１つが、SLC7A11/xCTによるシスチンの取り込みを阻害することで、フェロトーシスを促進することを明らかにした。２）グルコース欠乏時にシスチンの取り込みによって引き起こされる細胞死、ジスルフィドトーシスについて、Hippo経路の上流で働くタンパク質NF2/Merlinが、神経膠芽腫細胞の高密度培養時においてSLC7A11/xCTの発現を転写レベルで制御し、ジスルフィドトーシスを抑制していること、さらにはHippo経路の下流で働く転写因子の１つ、TAZの関与の可能性を示唆する結果が得られている。これらの結果は、がんに対する新たな治療法の開発に貢献する可能性があると考えられる。
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