2023 Fiscal Year Annual Research Report
核様体ダイナミクスに着目したミトコンドリア形態制御の新視点研究
Project/Area Number |
21K06066
|
Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
石原 孝也 島根大学, 学術研究院医学・看護学系, 准教授 (70611862)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | mtDNA / ミトコンドリア / 核様体ダイナミクス / ミトコンドリアダイナミクス |
Outline of Annual Research Achievements |
細胞内でミトコンドリアは分裂と融合を繰り返し、その形態をダイナミックに変化させている。近年の研究から、この形態変化がミトコンドリアの関わる多様な生命機能を制御していることが分かってきた。ミトコンドリアが持つ独自のゲノムであるミトコンドリアDNA(mtDNA)は核様体という構造を形成しており、申請者らのこれまでの研究から、この核様体という構造も時空間的にダイナミックな挙動をとり、その機能発現に寄与していることも明らかとなってきている。しかし、核様体という構造を形成する因子の同定を含めて分子レベルでの理解があまり進んでいないことから、本申請研究では、ミトコンドリアの膜とゲノムのダイナミクスを制御する分子詳細を明らかにすることを目的としていた。 今年度は、核様体の構造に関わる因子の新たな分子機序の解析を進め、投稿に向けて準備した。また、本申請研究の実施期間中においては、ミトコンドリアの内膜に局在して働く多機能タンパク質ATAD3が核様体の動きの制御にも機能していることを明らかにした。この研究から、核様体の動きと配置の制御がミトコンドリア呼吸鎖タンパク質の発現を調節すること、その制御にはATAD3の持つ機能ドメインが必要であることが分かった。これらの研究成果から、当初の目的であったこれらダイナミクスの分子理解を進めることができたと考えている。さらに、共同研究の実施や当該領域の図書出版に携わるなど多角的に本研究領域の発展にも貢献することができた。
|