2022 Fiscal Year Research-status Report
The underlying mechanism for the inhibition of C1P-mediated phagosome maturation by pathogenic mycobacteria
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21K06086
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
中山 仁志 順天堂大学, 医療看護学部, 准教授 (70514933)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | セラミド代謝 / 病原性抗酸菌 / スフィンゴ脂質 / マイクロドメイン |
Outline of Annual Research Achievements |
病原性抗酸菌として知られる結核菌やMycobacterium avium-intracellulare complex (MAC)は、好中球のような貪食細胞へ貪食された後も、食胞へのリソソーム融合(食胞成熟)を阻害することで細胞内寄生する。我々はこれまでに、ヒト好中球において結核菌はManLAMを利用して食胞膜上のラクトシルセラミド(LacCer, CDw17)が形成する脂質マイクロドメインへのセラミド代謝酵素の分子会合を阻止することを見出している。そこで本研究では、病原性抗酸菌によるLacCerマイクロドメインへの分子会合阻害とC1Pを介した生理機構の解明を目指すため、抗酸菌貪食後の食胞におけるC1P関連分子の局在解析を行った。具体的には、ヒト好中球へ非病原性抗酸菌あるいは病原性抗酸菌を貪食させ、食胞におけるC1P産生に係るスフィンゴ脂質の局在を、超解像顕微鏡(STED)により解析した。このような解析を行った結果、非病原性抗酸菌を含む食胞の周囲において、2種類の異なるスフィンゴ脂質の大きなクラスター化が観察され、それぞれが共局在していることが分かった。一方で、病原性抗酸菌を含む食胞の周囲においては、それら2種類のスフィンゴ脂質は分散して局在し、共局在は認められなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
C1P関連分子の局在及び生化学的解析に時間を要しているため。
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Strategy for Future Research Activity |
C1P産生に係る分子あるいは会合分子の局在ならびに生化学的解析を行うことで、食胞成熟におけるC1Pの分子機構の一端を解明し、病原性抗酸菌が貪食細胞内において、どのようにC1Pのような生理活性脂質を介したシステムを制御し細胞内寄生するのかを明らかにしていく。
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Causes of Carryover |
コロナ禍に伴う研究の遅れにより、本研究に必要な消耗品の購入等を十分に行えなかった。これら消耗品等については次年度購入する予定である。
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