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2021 Fiscal Year Research-status Report

炎症性疾患に関連する硫酸化糖鎖の生合成制御機構と生物学的意義

Research Project

Project/Area Number 21K06089
Research InstitutionKobe Pharmaceutical University

Principal Investigator

灘中 里美  神戸薬科大学, 薬学部, 准教授 (60378578)

Project Period (FY) 2021-04-01 – 2024-03-31
Keywordsプロテオグリカン / グリコサミノグリカン / 糖転移酵素 / 炎症
Outline of Annual Research Achievements

がん抑制遺伝子(EXT)ファミリーに属するEXT-like 2 (EXTL2)遺伝子は, 硫酸化グリコサミノグリカン(GAG)の合成を負に調節する. 研究代表者らは, EXTL2によるGAGの生合成調節機構が働かない場合, 炎症に関連した病態が重篤に現れること, 発生過程で神経前駆細胞の増殖が亢進することを見出しており, EXTL2は炎症を誘発する活性や神経前駆細胞の増殖を促す活性をもつGAG鎖の合成を制御すると考えている. 本研究では, EXTL2によるGAGの生合成調節機構の仕組みとその生物学的意義の解明を目指す.
2021年度は, EXTL2の発現制御機構, 及び神経前駆細胞の増殖制御機構について調べた. EXTL2遺伝子の3’非翻訳領域に存在する炎症で誘導され, ヒトとマウスで保存されているマイクロRNA(miRNA) の結合部位が存在することがわかった. この miRNA はマクロファージ系株化細胞で恒常的に発現しており, 炎症反応により, 若干ではあるが有意な発現誘導が見られ, EXTL2 の発現を低下させる役割をもつことがわかった. しかしながら, このmiRNAによる作用は弱く, 炎症にともなう一時的なEXTL2の発現低下には別の機構が働いていると考えられた. 現在, 3’非翻訳領域だけでなく, 5’非翻訳領域やオープンリーディングフレーム領域も対象にして解析を行っている.
抑制性神経細胞の新生時期にEXTL2の発現が一時的に低下すること, EXTL2の欠損により前駆細胞の増殖が亢進することを明らかにしている. 増殖亢進は, EXTL2の欠損によるソニックヘッジホッグ (SHH) シグナルの活性化で起こるが, 増殖に関わるシグナル伝達経路の詳細を明らかにするために, SHH シグナルの下流に位置するキナーゼの活性化状態を調べた.

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

炎症反応を誘導すると, EXTL2 の mRNA の発現が顕著に低下するため, 3’非翻訳領域を介した転写後調節がEXTL2の発現制御に関わると仮定したが, 2021年度の解析で炎症に応じた EXTL2 の一過的発現低下に働く miRNA を見出したが, その貢献度は低く, 鍵となる miRNA を見出すことができなかった. 転写後調節は3’非翻訳領域だけでなく, オープンリーディングフレーム領域を介しても起きるという報告があるため, この領域まで拡げて解析している. また, EXTL2の発現制御機構には, 転写調節による可能性もあるため, 5’非翻訳領域をクローニングし, EXTL2の転写活性を測定するためのレポーターベクターを作成し, 解析の準備を整えた.

Strategy for Future Research Activity

炎症による EXTL2 の発現低下に関わる鍵となる miRNAを見出すことができなかった. miRNAによる3’非翻訳領域を介した転写後制御に絞って解析を進めているが, 対象領域を拡げ, オープンリーディングフレーム領域を介した転写後制御, あるいは5’非翻訳領域を介した転写制御についての解析も行うことにした.
【計画の一部変更】ヒト臨床検体は使用しない予定であったが, EXTL2の発現制御機構とヒト疾患との関連性を示すために, 倫理審査で承認された市販検体を入手する計画である. なお, 実験に先立ち, 臨床研究教育サイト「ICR臨床研究入門(略称:ICRweb)」で「臨床研究の基礎知識講座(旧 臨床研究入門初級編)」を履修した (修了証第 36537 号 令和3年11月22日).

Causes of Carryover

EXTL2 の発現制御に関わる因子は同定できたが, その貢献度は期待したほど高くなかった. 2021年度は, 3'非翻訳領域による転写後制御に絞って解析していたが, 解析の対象DNA領域を拡げるとともに, 転写制御の可能性も検討することにした. EXTL2 の発現制御に関わる鍵となる候補因子が見つかった時のために, 本年度はできるだけ経費の節約に努めた.

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Published: 2022-12-28  

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