2021 Fiscal Year Research-status Report
Functional characterization of novel P-type ATPAses potentially associated with lysosomal proteolysis
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21K06090
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Research Institution | Yasuda Women's University |
Principal Investigator |
羽鳥 勇太 安田女子大学, 薬学部, 講師 (00759730)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | ミトコンドリア / オートファジー / リソソーム / パーキンソン病 / P5-ATPase / P型イオンポンプ / マイトファジー |
Outline of Annual Research Achievements |
初年度はP5-ATPaseの発現系の構築、および局在解析を中心として実験を実施し、特に家族性若年性パーキンソン病との関連が明らかなATP13A2に解析を進めた。ATP13A2、ATP13A3遺伝子をHaloタグ付加発現ベクター(pHTCベクター、Promega)に組み込んでHeLa細胞内で発現し、共焦点顕微鏡下でライブセルイメージングによりオルガネラ動態とATP13A2(およびATP13A3)分子の挙動の比較解析を行った。その結果、ATP13A2分子の発現によりミトコンドリア外膜タンパク質であるTom20が、ミトコンドリアからオートファジー経路へとリクルートされるとの新たな発見が得られた。このことは、ATP13A2が、オートファジーを介してミトコンドリア品質管理に関与する可能性を示唆し、このことは、複数のPARK遺伝子の解析から明らかになりつつあるパーキンソン病の病態の本質(ミトコンドリア機能不全)とも矛盾しない。現在、この成果をもとに、Tom20を始めとしたミトコンドリアタンパク質との相互作用の検討を中心に、より詳細な解析を進めている。 以上のとおり、ATP13A2およびP5-ATPaseの輸送基質の検討に向け、まずはその分子機能がミトコンドリア品質管理とオートファジーに関連したものであることを明らかにし、基質の探索範囲にある程度の方向性を与えることができた。本年度の成果は、第60回 日本薬学会・日本薬剤師会・日本病院薬剤師会 中国四国支部学術大会にて発表したほか、PLOS One誌に投稿済であり、今年度初旬での公表を目指している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
アデノウイルスを用いたATP13A2分子の大量発現については、Haloタグを付加したコンストラクトの作成を旧来のAdEasy-1ベクターを利用して試みたが、空ウイルス粒子の混入など、当初の予想に反して実験が難航した。 ATP13A2の輸送基質の探索に関しては、ミトコンドリア品質管理とオートファジーとの関連が確認されたことで、その方向性が定まってきた。Tom20をはじめとしたミトコンドリア外膜タンパク質との相互作用を中心に、タンパク質相互作用を詳細に検討することで、更に探索範囲を絞っていく予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
P5-ATPaseの大量発現に向け、現在、組換えアデノウイルスの作成スキームをVira Power (Thermo Fisher Scientific)を利用した系に切り替え、再度の発現系構築を試みている。Haloタグ付きのP5-ATPaseのコンストラクトは既に完成しており、Haloリガンドなどの特異的な蛍光色素を用いたイメージング・タンパク質解析をこれまで詳細に行ってきた。本年度中に大量発現系が構築されれば、そのイメージング・タンパク質解析の実験系を直ちに応用し、データの再収集を進める。
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Causes of Carryover |
論文掲載費用として執行する予定であったが、論文の査読に遅延が生じ、掲載の予定が本年度となった為に次年度使用額が16,867円となった。当該助成金は、予定していた通り、論文掲載費用として、翌年度分として請求した助成金と合わせて使用する予定である。
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