2023 Fiscal Year Annual Research Report
A Construction of Drug Design Theory based on the Hydration of Proteins
Project/Area Number |
21K06107
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
吉留 崇 東北大学, 工学研究科, 准教授 (90456830)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 水和 / 深層学習 / タンパク質 |
Outline of Annual Research Achievements |
まず、リガンド結合部位に存在する水分子の自由エネルギーを解析した。そのために、まず前年度に開発した、グリッド不均一溶液理論(GIST)で得られる水和自由エネルギー分布を高速に計算する深層学習モデル「Deep GIST」のハイパーパラメータサーチを行い、最適なハイパーパラメータを決定した。次に、Deep GISTを用いて、リガンド結合部位に存在する水分子をタンパク質表面からバルク領域に移動するのに必要な自由エネルギー変化を計算した。最後に、リガンド結合部位の水分子を「リガンドが結合する際に移動する水分子」とそうでない水分子に分類したところ、前者の水分子は自由エネルギー変化が小さいものが多いことが分かった。これは、リガンド結合の際に比較的移動しやすいことを意味しており、移動しやすい水分子がリガンド結合の際にリガンド原子に置き換わることが分かった。 次に、ドッキングソフトの精度向上を目指し、2つのドッキングソフトを組み合わせる手法について検討した。結合ポーズが既知のタンパク質-リガンド複合体に適用したところ、2つのドッキングソフトが予測できるタンパク質-リガンド複合体は異なることが分かった。そこで、2つの手法を組み合わせる新たな手法の開発を行った。2つの手法を1つのタンパク質-リガンド複合体に適用すると結合ポーズが2種類得られるので、どちらを選ぶかを決める指標を開発した。その指標を用いて結合ポーズ予測を行ったところ、1つのドッキングソフトを用いる場合よりも精度が向上することが分かった。
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