2023 Fiscal Year Annual Research Report
大規模並列レポーターアッセイ法による転移因子進化メカニズムの解明
Project/Area Number |
21K06119
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
井上 詞貴 京都大学, 高等研究院, 特定准教授 (60525369)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
BOURQUE GUILLAUME 京都大学, スーパーグローバルコース医学生命系ユニット, 招へい研究員 (80890566)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | エンハンサー / 転移因子 / 遺伝子発現制御 / MPRA / エピゲノム / iPS細胞 / 神経前駆細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、転移因子機能の進化を明らかとするため、大規模並列レポーターアッセイ法(lentiMPRA)を用い、iPS細胞、神経前駆細胞における転移因子のエンハンサー活性を大規模並列的に解析する。 先行研究で行ったエピゲノム解析から、MER11、MER34、MER52が iPS細胞および神経前駆細胞においてエンハンサー活性を持つと予想されたため、これらの転移因子ファミリーのバリアント合計約17,000配列を含むMPRAライブラリを作製した。これをヒトiPS細胞および神経前駆細胞へ導入し、MPRA実験を行った。MPRAflowを用いて解析を用い、3実験群で高度に再現性があること、ポジティブコントロール配列、ネガティブコントロール配列が予想通りの挙動であることを確認した。MER11の多くがiPS細胞において特異的に高いエンハンサー活性を持つことを見出した。さらに、得られたMER11バリアントのエンハンサー活性は、MER11の進化系統関係と一致し、またエピジェネティック修飾(H3K27ac ChIP-seq, ATAC-seq)との相関から、霊長類進化過程におけるMER11エンハンサー活性の獲得・消失の変遷が明らかとなった。この知見を拡大し、MER11以外の機能的転移因子(LTR7等)に関しても、適切な進化系統解析によりその機能の進化メカニズムを推定することが可能となった。
|