2023 Fiscal Year Annual Research Report
Development of muliplex, large-scale, and high-resolution genome editing technology using multi-class CRISPR system
Project/Area Number |
21K06137
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
佐久間 哲史 広島大学, 統合生命科学研究科(理), 教授 (90711143)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | ゲノム編集 / CRISPR-Cas / 遺伝子ノックイン |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度は、クラス1・クラス2 CRISPRシステムの技術開発のそれぞれにおいて以下の成果を得た。
クラス1システムにおいては、遺伝子ノックインの効率化に寄与すると考えられる転写活性化技術を整備し、高効率な転写活性化を実現可能なクラス2システム(dCas9)をベースとした技術に匹敵あるいはそれを凌ぐプラットフォームを確立した。この過程で、レポーターアッセイに加えヒト細胞における内在遺伝子の活性化レベルの定量を行い、複数の遺伝子座においてdCas9に転写活性化因子を高度に集積させるTREEシステム(Kunii et al., 2018)と同等またはそれ以上の転写活性化を実現した。 クラス2システムにおいては、転写活性化と抑制、およびDNA切断を標的依存的に同時制御できるCRISPRaic(activation, interference, and cleavage)システムを整備した。CRISPR-Cas9において、ガイドRNAのスペーサー領域を短縮することでDNA結合の活性を保持したまま切断活性を失活させられる特徴を利用し、タンパク質として切断活性を保持するCas9を利用しつつ標的配列に応じて転写のコントロールとDNA切断を巧みに使い分けられることを示した。本成果は、DNA修復経路の操作を組み合わせた精密かつ高効率な遺伝子ノックインに役立てられると期待される。
本研究課題では、研究期間全体を通じて、クラス1システムにおけるエフェクター集積のプラットフォームの整備からその有用性の実証、CRISPR-Cas3システムを用いた遺伝子ノックインの最適化を行い、またクラス2システムにおいてもCas12aを用いた遺伝子ノックインや従来法を上回る遺伝子ノックイン効率の向上、転写調節/DNA切断の同時制御などを実証し、クラス1/クラス2 CRISPRシステムの機能性の拡張に成功した。
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