2022 Fiscal Year Research-status Report
トランスゴルジネットワーク上で制御される新規なエンドソーム形成機構の解明
Project/Area Number |
21K06157
|
Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
長野 真 東京理科大学, 先進工学部生命システム工学科, 特別講師 (50572715)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | エンドソーム / トランスゴルジネットワーク / 出芽酵母 / メンブレントラフィック / Rab5 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、(1) Rab5特異的なGFEFであるVps9pの結合因子の探索、(2) Pik1p/Rab11/GGAsによるRab5活性化のメカニズム、および(3) Arf1pと独立してRab5の活性化を制御する因子の探索を進めた。 (1)では、GST-Vps9pをbaitとして、出芽酵母のタンパク質抽出液からVps9p結合因子の単離を試みた。まず、大腸菌リコンビナントでGST-Vps9pを発現・精製する実験系を導入し、完了した。続いて、得られたGST-Vps9p用いて、プルダウン法で結合タンパク質の精製を行った。現在のところ、コントロールとしておいたGSTのプルダウンフラクションと比較して、SDS-PAGE上、GST-Vps9pで特異的なバンドは得られていない。次年度は、精製法の改善を図る。 (2)では、3つの因子について、単独あるいは複数組み合わせで、機能欠損株を作製し、Rab5ホモログVps21pの活性化レベルを解析した。この結果、Pik1p単独の機能欠損株では、野生株と比較して80%以上の活性化レベルであり、単独では大きな影響を与えないことを明らかとした。次に。複数組み合わせて機能欠損株を解析したところ、Pik1/Rab11の機能欠損株で60%程度、Pik1/Rab11/GGAsの機能欠損株で10%まで低下することを見出した。これら以外の組み合わせでも同様に検討し、Pik1、Rab11、GGAsがそれぞれ独立してRab5活性化に関与することが明らかとなった。これらの研究結果を含め、学術論文に投稿し、現在査読中である。 (3)では、ゴルジ/TGNに局在するタンパク質の中で、その遺伝子欠損によって、エンドソーム輸送前後のステップでエンドーリソソーム輸送が異常となるものに注目し、ARF1との二重欠損株を作製し、GFP-Vps21pのエンドソーム輸送への影響を解析した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究実績の概要に示した(2)の研究結果を学術論文に投稿し、数度の査読を経て、改訂が進んだ。現在まだアクセプトには至っていないが、最終段階に来ている。また、この成果はすでにプレプリントで公開済みである。 (1)と(3)についても、順調に準備が進んでいる。 以上より、おおむね順調に進展していると判断した。
|
Strategy for Future Research Activity |
当初計画に沿って進める。
|
Research Products
(19 results)