2021 Fiscal Year Research-status Report
ER exit site構築のためのSec16-Sed4間の機能制御
Project/Area Number |
21K06164
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
依光 朋宏 東京大学, 大学院総合文化研究科, 助教 (00534364)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 小胞体 / 小胞輸送 / COPII / ER exit site |
Outline of Annual Research Achievements |
Sec16は小胞体膜上の特異的領域ER Exit Site(ERES)においてCOPIIタンパク質の機能調節を行いCOPII小胞形成を促す。Sec16は小胞形成必須因子であるER膜タンパク質Sec12のホモローグSec4と相互作用することが25年以上前に示された。その機能的意義や機序の解析は全く手付かずであったが、申請者の先行研究によりSed4もERESに局在しSec16のERES局在に機能することが発見された。本研究計画はこの先行研究結果を発展させSec16とSed4の分子間機能の解明を目的とした。 まず相互作用機序を調べるために酵母two-hybrid法を用い相互作用部位の同定を試みた。Sec16のC末端領域にSed4相互作用部位を同定した。C末端領域にはSec23相互作用部位も存在するがSed4相互作用部位は異なる場所であった。またSed4の細胞質領域におけるSec16相互作用部位も同定した。同定された両部位が実際に相互作用に関わることが生理条件に近い全長タンパク質の発現系を用いた免疫沈降実験においても明らかにされた。 次に上記の実験結果をもとに、Sec16-Sed4間相互作用の機能的意義を調べた。蛍光タンパク質を融合し細胞内局在を蛍光顕微鏡により観察すると、Sed4相互作用部位を欠損するSec16delS4B変異体はERES局在が低下した。加えてSec16delS4Bと共に発現されたSed4はERESへ局在しなかった。またSec16と相互作用しないSed4変異体はERESへ局在しなかった。一方ERESに局在しないSec12にSec16相互作用部位を挿入したSed412N4b1-3変異体はERES局在することができた。加えてSec16との相互作用以外にもSed4のERES局在に関わる機能についての知見も得られた。 以上の実験結果よりSec16-Sed4間の相互作用の機序ならびに相互作用がお互いのERES局在に機能するという意義を明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
Sed4、Sec16の相互作用部位を同定する実験を2021年度中に計画していたが、予定通りに実施し研究実績の概要に記した成果が得られた。またこの成果を元に相互作用のERES局在機能を調べる実験を2022年度に予定していたが、すでに実験を行い研究実績の概要に記した実験成果を得ることができた。以上のことから本課題は当初の計画以上に進捗していると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
Sed4のERES局在に関わるSec16との相互作用以外の機能が示唆されたためその解析を行う実験を行いSed4のERES局在機序を詳細に調べる。加えてSed4はSar1 GTPaseを制御するが、Sec16との相互作用がその機能に影響を与えるかを調べるための研究計画書で予定した実験を行う。
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Causes of Carryover |
当初の想定よりも効率よく実験を進めることができ試薬や物品等の購入費が抑えられた。加えて成果発表の場として予定していた学会に参加できなかったり、参加できた学会もオンライン開催であったため旅費の支出が抑えられた。本年度からの継続実験および来年度に計画した実験の実施に必要な試薬や物品の購入する。また学会、論文での成果発表に使用する。
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Research Products
(1 results)