2023 Fiscal Year Annual Research Report
エンドサイトーシスを引き起こす内在性分子群の多色超解像マップの作成
Project/Area Number |
21K06168
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
木内 泰 京都大学, 医学研究科, 准教授 (70443984)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 超解像顕微鏡法 / エンドサイトーシス |
Outline of Annual Research Achievements |
クラスリン被覆部位には、様々な種類のタンパク質が協調して局在し、膜受容体のエンドサイトーシスが引き起こされる。この協調的な分子局在は、分子間相互作用の複雑な分子ネットワークの結果であると考えられているが、実際のクラスリン被覆部位でのこれらの分子局在の間の位置関係は不明なままである。本研究では、標的分子に結合解離する抗血清由来の蛍光Fabプローブの作製方法を開発し、クラスリン被覆部位を構成する5つのタンパク質、2つの受容体の多色超解像可視化を行った。さらに連続的に結合し続けるプローブの位置情報を利用した方法で分解能を改善し、各標的分子が、クラスリン被覆部位の縁やその縁の内側に部位特異的にクラスター状に分布し、それぞれが複雑に重なり合っていることを明らかにした。これらクラスターの重なり合い(共局在)部位では、クラスリン被覆部位の構成やエンドサイトーシスを担う分子複合体が存在すると予想し、それらの位置関係を解析するため、新たな画像解析方法を開発した。その結果、FCHo1/2とEps15、intersectin-1の間での共局在関係やEGFRとTransferrin receptorの位置関係を明らかにした。この多色超解像顕微鏡画像と新たに開発した画像解析法によって、クラスリン被覆部位の構造を担うタンパク質の空間的な関係や受容体の集積部位を明らかにした。
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