2021 Fiscal Year Research-status Report
一次繊毛を介して組織発生を制御する新規リン酸化酵素DYRK2の標的分子解明
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21K06192
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
吉田 彩舟 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (40772744)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 一次繊毛 / hedgehog / DYRK2 / 発生 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、哺乳類における新規の発生制御因子として機能同定したリン酸化酵素Dual specificity tyrosine phosphorylation-regulated kinase 2 (DYRK2)に関し、その分子機序の解明を目的とする。特に哺乳類の細胞に1本だけ存在する細胞小器官「一次繊毛」の機能制御におけるDYRK2のリン酸化基質を同定し、組織発生ならびに発がんにおけるDYRK2の機能解析を目指す。 本年度は、DYRK2のリン酸化基質の同定を目指した。我々が作出したノックアウトマウスから樹立したマウス胎仔線維芽細胞(MEF)、ならびにCRISPR-Cas9で作出したDYRK2欠損細胞に関し、網羅的遺伝子発現解析ならびにリン酸化プロテオミクス解析を実施した。野生型とDYRK2欠損細胞間での変動因子を候補とし、DYRK2下流の分子を選抜した。得られた候補分子に関して、発現ベクターを構築し、培養細胞における過剰発現系での、DYRK2によるリン酸化ならびに結合の可否を評価した。さらに、それら候補因子に関し、siRNAを使用した一過的なノックダウン実験により、一次繊毛の形成ならびにHedgehog応答への影響を培養細胞レベルで評価した。 その結果、リン酸化酵素DYRK2によりリン酸化修飾を受け、かつ一次繊毛形成ならびにHedgehog応答へ影響に影響する複数の候補タンパク質を同定した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
DYRK2のリン酸化標的基質を複数得たことから、予定通り進行していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
初年度の探索研究により、DYRK2のリン酸化標的基質の候補を複数得た。次年度は、それら候補因子に関し、特に、リン酸化サイトの変異を導入したコンストラクトを用いて一次繊毛ならびにHedgehogシグナルにおける分子機序を細胞レベルならびに生化学的に評価する。また、最終的な候補分子に関し、リン酸化抗体を作出する。
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Causes of Carryover |
初年度に予定した探索研究が想定よりも順調に進んだため、次年度の機能解析予算に繰り越した
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Research Products
(11 results)