2023 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21K06201
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
熱田 勇士 九州大学, 理学研究院, 講師 (80874685)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 四肢発生 / 四肢前駆細胞 / リプログラミング / 3次元培養 / AER / トランスジェニックニワトリ |
Outline of Annual Research Achievements |
(1)マウス四肢前駆細胞を産み出すリプログラミング法の確立;先行研究から取り組んでいたマウス線維芽細胞を四肢前駆細胞へと転換するリプログラミング法に関して、リプログラム細胞の生体内での分化能を検証できたため、遺伝子発現解析データと併せて論文を作成、発表した。 (2)ヒト四肢前駆細胞様細胞をつくるリプログラミング法確立の試み;マウス細胞にて機能したリプログラミング因子群と3次元培養法をヒト線維芽細胞へと適用したところ、Sall4、Nmyc、Lhx2など四肢前駆細胞マーカー遺伝子の発現が誘導された。現在、これらマーカー陽性細胞のプロファイリングをRNA-Seqおよびin vitroでの分化誘導培養系を用いて実施している。 (3)AER培養系確立の試み;AER細胞リプログラミング法の開発に先立ち、内在性のニワトリAER細胞の培養系の確立を試みた。マトリゲルを利用した3次元培養系を基本プラットフォームに、AER細胞で活性を持つMsx2-ZsGreenレポーターの蛍光を指標として、通常培地(10%FBS/DMEM)では2日程度で消失するZsGreenシグナルを存えさせる化合物を探索した。予備的な実験ではあるが、Fgf10、バルプロ酸、そしてWntシグナルを活性化するChir99021の存在下で、ZsGreenが8日間持続する様子が認められた。今後これらの試薬を中心として、さらなる培養条件の最適化に取り組む。 (4)四肢前駆/AER細胞ー2重レポーターニワトリの樹立;ニワトリ四肢前駆細胞およびAER細胞を産むリプログラミング法の開発に用いるため、それらの細胞種を特異的に標識できるトランスジェニック系統の作出に取り組んだ。すでに四肢前駆細胞で緑色蛍光、AERで赤色蛍光を発するF2胚を得ることに成功しており、今後このF2胚から採取した線維芽細胞を利用してリプログラミング実験に取り掛かる。
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