2023 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21K06205
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
河田 純一 福岡大学, 医学部, 助教 (00312207)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 神経極性 / 神経変性 / 軸索 / ダイナクチン / ダイニン / TDP-43 / Perry病 / Perry症候群 |
Outline of Annual Research Achievements |
Perry病は、TDP-43病理を示す希少性パーキンソン症候群である。原因遺伝子産物DCTN1は、ダイニンモータを制御するアダプタ、ダイナクチン複合体の最大サブユニットである。Perry変異近傍での別の変異により、運動神経疾患が生じること、またDCTN1が筋萎縮性側索硬化症(ALS)のリスク因子でもあることから、DCTN1は種々の神経変性疾患に共通の発症機構に関与する可能性が高い。Perry病は希少疾患ながら、発症機序の解明が孤発性の多くの疾患原因の特定に繋がると期待されている。Perry病患者は極少数であり、病態解明にはモデル動物確立が急務とされ、DCTN1 (p.G71A)変異(当グループが国内で初めて発見したPerry変異)を導入したノックインマウスを作成した。意外なことに、本マウスから調製した初代培養神経細胞が、軸索を複数持つことを見出した。そこで、変異型DCTN1がTDP-43凝集化を惹起する構造基盤を明らかにしながら、何故、軸索が複数生じるのか、分子機序の解明を目指している。 Dctn1(G71A)マウスのホモ接合体の作出に成功し、肉眼レベルの脳形態変化、パーキンソニズムと衝動制御障害等の精神症状を検出できた。DCTN1(G71A)とTDP-43の相互作用を精査し、構造変化がTDP-43凝集化に繋がる仕組みを調べる一方、ダイニン調節因子で細胞極性に関係すると指摘されてきた分子群の機能制御の観点から、ダイナクチンとTDP-43の機能解析を進めている。Dctn1(G71A)神経細胞が軸索を複数持つ現象の証明として、今年度は、Golgi染色を行い、Perryマウス脳の神経形態・極性と層構造、神経回路パターンを調べ、それぞれのレベルで異常を検出した。Perryマウス脳で、神経回路、その動作機構と個体行動がいかに変化し、神経変性に至るか、解析を進めたい。
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Remarks |
Frontiers in Cell and Developmental Biology誌からのオファーを受け、ゲストエディターとして、本Research Topicを立ち上げている。現在、国内外から10報の論文を受け付ける予定であり、新たな研究コミュニティの創出を試みている。
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Research Products
(4 results)