2021 Fiscal Year Research-status Report
種内ナチュラルバリエーションを用いた植物プロモーターの進化的側面の解明
Project/Area Number |
21K06212
|
Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
山本 義治 岐阜大学, 応用生物科学部, 教授 (50301784)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | TSS-seq / プロモーター進化 / 環境適応 |
Outline of Annual Research Achievements |
目的 申請者らのこれまでの研究により植物プロモーターの基本構造と構成因子については概略を解明できた。本研究においてはシロイヌナズナの種内80系統(アクセション)の公開されているゲノムワイドな配列多型情報、申請者らが取得したそれらの環境ストレス耐性データ(低温&強光)、そして本研究において新たに取得する環境ストレス耐性の異なる4系統についての転写開始点データ(TSS-Seq、ストレス処理有無)を組合せ、植物プロモーターの進化にメスを入れる(世界初)。プロモーターのタイプごとの進化傾向(安定性・ゆらぎ)について定量的な知見を得るとともに、プロモーター進化が誘導する環境適応能獲得の実例発見を試みる。本研究のために、配列多型とプロモーター機能(発現制御/発現量/TSS位置)との相関解析法を新規開発する。 実施状況 今年度はシロイヌナズナの強光+低温ストレスに耐性を示す2系統および感受性を示す2系統について、予定通りTSS-Seq解析を行った。得られたシークエンスデータをマッピングしたところ、タグ作成時のクオリティーに問題があり、以降の解析に使えないことがわかった。症状としては、優良なTSSタグの割合が低いことがあげられる。そこで、再度TSS-seq解析を実施することにしたが、保存していたシロイヌナズナ4系統の種子の発芽率が低下していたため、まずは4系統を継代増殖し、新鮮な種子バッチを準備することとした。従って、今後の予定としては、種子の調整、ストレス処理と収穫、RNA抽出とTSS-tag調整、TSS-seq解析、を目下の目標とする。今後の戦略としてCAP-Trapper法による再度のTSS-seq解析を行いはするが、Oligo-cap法によるTSS-seq解析も視野に入れることとしたい。いずれにしても優良なTSS-seqデータを準備することが必須である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
予定通りのスケジュールでTSS-seqデータは得られたものの、クオリティが低く実験をやり直すことになったため。さらに、保有している種子の発芽率が低下しており、半年かけて新たな種子バッチを調製することとなった。
|
Strategy for Future Research Activity |
シロイヌナズナ4系統について、種子調製(実施中)、ストレス処理芽生えの収穫、RNA抽出とTSS-Seqまでを今年度中に実施したい。
|
Causes of Carryover |
当初R3年度で終了すべき実験が完了せず、次年度へ持ち越してしまった。R3年度の残予算はその持ち越し実験を行うために使用する。
|
Research Products
(10 results)