2023 Fiscal Year Annual Research Report
Roles of nucleoli and AS2 /LOB family in plant development and differentiation
Project/Area Number |
21K06218
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Research Institution | Chubu University |
Principal Investigator |
町田 千代子 中部大学, 応用生物学部, 特定教授 (70314060)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小島 晶子 中部大学, 応用生物学部, 准教授 (10340209)
町田 泰則 名古屋大学, 理学研究科, 名誉教授 (80175596)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 葉の発生分化 / 核小体 / AS2/LOB family / AS2/LOBドメイン / エピジェネティック制御 / 45S rDNA / 核小体ストレス |
Outline of Annual Research Achievements |
シロイヌナズナの葉の表裏軸形成の鍵因子であるAS2は、植物に固有のAS2/LOB familyのメンバーである。AS2/LOB familyは、植物固有のAS2/LOBドメイン構造を持ち、植物界にのみ見られるファミリーである。近年、AS2/LOB familyのメンバーについての多数の報告があり、発生分化や環境応答、植物ホルモン制御等の多様な機能との関連が示されていることからAS2/LOB familyは、植物に特徴的な生存戦略と密接に関連があることが示唆されてきた。AS2はその中でも最も研究が進んでいる分子である。AS2は葉の裏側化因子であるETT/ARF3の発現を直接抑制してエピジェネティックに抑制を維持する。AS2は核小体周縁部内側に2個の顆粒(AS2 body)として検出され、45S rDNA repeatsを含むクロモセンターと部分的に共局在する 。また、葉の表裏軸形成にはAS2と共に核小体機能と密接な関連を持つ多くの因子が関わる。AS2はETT/ARF3のExon 1 のCGCCGC配列へ結合することがわかっているが、AS2 body形成とこの配列への結合との関連性、核小体機能との関連性については明らかになっていない。そこで本年度は、第一にAS2 body形成とCGCCGC配列への結合に必要なAS2のアミノ酸配列について解析した。第二に核小体タンパク質遺伝子の変異体におけるAS2 bodyの形状、45SrDNAとの関連性について解析した。その結果、AS2 body形成とDNA結合活性は密接な関連があることがわかった。核小体タンパク質はAS2 bodyを安定的に形成するために必要な核小体の構造の維持に関わると考えられた。AS2は、AS2 bodyを形成することによって、多少核小体の機能が低下しても(核小体ストレス)葉の発生を正常に保つための重要な因子と考えられる。
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