2022 Fiscal Year Annual Research Report
栄養飢餓に応答したタンパク質バルク分解を担う新奇オートファジー経路の解明
Project/Area Number |
21K06243
|
Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
森安 裕二 埼玉大学, 理工学研究科, 教授 (20200454)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金子 康子 埼玉大学, 教育学部, 教授 (30194921)
井上 悠子 埼玉大学, 理工学研究科, 助教 (40637922)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | オートファジー / タバコBY-2細胞 / 液胞 / タンパク質分解 / 細胞死 / ヒメツリガネゴケ / シロイヌナズナ培養細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
1. 新奇オートファジーの性質を調べ、新奇オートファジーはオートファゴソームやオートリソソームが形成されなくても起こることを明らかにした。BY-2 細胞をマクロオートファジーを阻害する3-メチルアデニン(3-MA)を含むショ糖飢餓培地で培養し、マクロオートファジーやそれに伴うオートファゴソームやオートリソソームの形成をブロックした。 24 時間後、細胞から 3-MA を除去し、新奇オートファジーの検出を容易にするためにプロテアーゼ阻害剤 E-64c を添加したショ糖飢餓培地でさらに 24 時間培養した。結果は、マクロオートファジーやオートリソソームの形成が3-MAによってブロックされても、液胞内に未分解細胞質が蓄積することを示していた。この結果は、新奇オートファジーが、マクロオートファジーの起こる起こらないに関わらず、長時間のショ糖飢餓処理によって誘導されることを示している。 2. 新奇オートファジーの性質を調べ、新奇オートファジーも3-MAで阻害されることを明らかにした。まず、ショ糖飢餓処理と同時に細胞を3-MAで処理すると、マクロオートファジーが阻害され、未分解細胞質をもつオートリソソームは蓄積しない(Takatsuka et al. 2004)。ここではさらに、3-MA存在下では、ショ糖飢餓処理24時間後にも未分解細胞質の液胞への蓄積が起こらないことを観察した。さらに、新奇オートファジーが始まるショ糖飢餓処理24 時間後に 培地に3-MA を加えれば、未分解細胞質の液胞への蓄積は観察されなかった。これらのことは、マクロオートファジーだけでなく、新奇オートファジーも3-MAによって阻害されることを示している。
|
Research Products
(2 results)