2022 Fiscal Year Research-status Report
血管生物学研究のためのマウス胚生体イメージング系の確立
Project/Area Number |
21K06248
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
内田 穣 大阪大学, 大学院生命機能研究科, 助教 (50833787)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | マウス胚 / in vivo イメージング系 / 血管リモデリング |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究計画は、発生過程における血管内皮細胞の動きを解明し、血管リモデリングの本質を定義することを目的とする。血管リモデリングはマウス (ほ乳類) 胚固有の現象であることから、マウス胚における血管形成過程のin vivoイメージング系を確立する。血管形成過程のin vivoイメージングは、より深部まで観察可能である二光子励起顕微鏡によるイメージング解析を適用する。二光子励起顕微鏡を用いたイメージング研究では、イメージングウィンドウと呼ばれる特殊な器具を装着し腹腔内の臓器を長期間にわたり観察する手法が確立されている。したがって、本研究計画では妊娠マウスにイメージングウィンドウを装着しマウス胚における血管内皮細胞の動きを経時的に観察・解析することで血管リモデリングの本質を定義する。2021年度はイメージングウィンドウを作製し、マウスにイメージングウィンドウを安定的に装着するための予備検討をおこなった。 2022年度も前年度に引き続き、実験系の確立を中心に実施し、イメージングウインドウ等の実験器具の改良とイメージングウィンドウを装着したマウスを固定する固定台の作製を行った。また、血管内皮細胞のイメージングに必要なVE-cadherin-CreERT2マウスとR26R-tdTomatoマウスを掛け合わせたマウスは継続的に交配を続けており、イメージング条件の検討に必要なマウスの準備は整っていると言える。イメージングに必要な装置や道具は概ね揃ったことから、今後はイメージング条件の検討を進めていく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
マウス胚のin vivoイメージングに必須であるイメージングウィンドウを作成し、イメージングウィンドウの装着方法・手術方法に関しても予備検討を実施した。加えて、2022年度にイメージングウィンドウを装着したマウスを顕微鏡下に固定するための固定台を作製し、イメージングウィンドウに関する準備は概ね整ったと言える。したがって、実際のマウスサンプルを用いてイメージングを進める段階に到達したと考え、イメージンング系の確立は概ね順調に進んでいると判断した。また、初年度に神経細胞を可視化する遺伝子改変マウス(レポーターマウス)を購入する予定であったが、実験を進める中でより汎用的なレポーターマウスの必要性を実感し、新たに汎用レポーターマウスの作成を行うことにした。2022年度も引き続き新規レポーターマウスの確立に向けたコンストラクトの作成等の準備と予備検討を進めた。レポーターマウスの作製は最終年度まで持ち込んでしまい、順調に進んでいるとは言い難いが、期間内で実施できるところまで進めていくことを考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
イメージングウィンドウを作成し、イメージングウィンドウの装着方法・手術方法に関しても確立できつつあると言え、今後は実際のマウス胚において適用を進めていく。血管内皮細胞が光るレポーターマウスは現時点で使用可能であり、最終年度はこの血管内皮細胞のレポーターマウスを用いてイメージング条件を設定していく予定である。レポーターマウスの作成に関しても、コンストラクトの作成を早急に終わらせて、実際のマウスの作成を期間内に進めていく。
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