2021 Fiscal Year Research-status Report
Morphological adaptation in dicyemid life cycle
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21K06303
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
古屋 秀隆 大阪大学, 理学研究科, 教授 (20314354)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | ニハイチュウ / 頭足類 / 分類形質 / 分類 |
Outline of Annual Research Achievements |
ニハイチュウ類の分類体系の構築を行うために、日本沿岸の頭足類にみられるニハイチュウ類を記載し、分子系統解析を進めている。7種のイカ類(ヤワラボウズイカ、ハリイカ、ウスベニコウイカ、ウデボソコウイカ、トサウデボソコウイカ、ハクテンコウイカ、ヒメコウイカ)から2属14種類の新種を記載した。さらに3種のタコ類(シコクダコ、ヤナギダコ、イッカクダコ)から4属7新種を発見し、それら分類形質を明らかにし、記載の準備をしている。ニハイチュウ類6属のうち、5属のニハイチュウ類が含まれている。それらの属について、ミトコンドリアCOI遺伝子の塩基配列を決定し、系統解析を行った。その結果からは、属を分類する形質は系統を反映しないことが判明した。 またニハイチュウ類の系統樹をみると、ニハイチュウが宿主を変更するホストスイッチが過去に起きたことが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
7種のイカ類(ヤワラボウズイカ、ハリイカ、ウスベニコウイカ、ウデボソコウイカ、トサウデボソコウイカ、ハクテンコウイカ、ヒメコウイカ)から2属14種類の新種のニハイチュウを記載した。さらに3種のタコ類(シコクダコ、ヤナギダコ、イッカクダコ)から4属7新種のニハイチュウ類を発見した。これらニハイチュウ類の中に5属が含まれていることから、これら新種の記載作業は、ニハイチュウ類の新しい分類体系を考える上で重要な発見となった。
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Strategy for Future Research Activity |
二胚動物門の6属について分類体系を見直し新たな体系を構築するために、種の記載を進め、全6属を日本沿岸から記載し、ニハイチュウ類の多様性を網羅する。より精度の高い解析を行なうために、より多くの種をもとに、より充実した分子系統樹を作成する。そのプロセスで、ニハイチュウ類のホストスイッチや共進化の全貌も明らかにしたい。
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Causes of Carryover |
パンデミックの影響により、研究材料の採集のための旅行が予定通りに実施できなかったため、次年度の使用額が生じた。今年度は、昨年度に比べ制限がかかっていないため、旅行が容易になり、実験材料の採集旅行が実施できると思われる。
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Research Products
(2 results)