2021 Fiscal Year Research-status Report
複数の小規模・大規模交雑がもたらすイモリの網状進化とモザイク的な集団構造の検証
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21K06321
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
富永 篤 琉球大学, 教育学部, 准教授 (60452968)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松波 雅俊 琉球大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (60632635)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 集団遺伝 / SNP解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、研究分担者との打ち合わせを行い、ddRAD-seqによって一塩基多型(SNPs)データの取得を進め、それをもとに集団遺伝解析を行うことになった。まず、四国や紀伊半島などを中心としたアカハライモリの生息域19地点から、研究サンプルの採集を行なった。本年も新型コロナの感染拡大などもあり、本種の繁殖期に合わせた採集ができなかったこともあり、一部の地域で計画通りには採集が進まなかったが、それについては既存のサンプルや譲渡していただいたサンプルで補うことができた。 次に、アカハライモリの分布域全体をカバーする地点からの約130個体について、ddRAD-seqの解析を進めた。質と量に注意しながらDNAの抽出を丁寧に進めた。次世代シーケンサー(Hiseq 2レーン分)での外部委託による解析の結果、得られたデータは、予定している解析に十分な質と量が含まれていることを確認できた。またシングルエンドのデータを用いたipyrad, STRUCUTEやPCAなどによる予備的解析では、仮説にあった交雑集団の存在が確認できた。現在、ペアエンドデータでの解析、SNPデータの正確な解析のために前処理の方法の検討などを進めている。RNA-seqについては、複数の地点から精巣などを保存し、現在RNAの抽出を進めている段階にある。現在は、中国地方の交雑帯を挟む2純系集団と交雑集団で、遺伝子の発現量などを解析する予定にしている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1年目に予定していたddRAD-seqについては、サンプルの準備から、実験、解析まで予定していたことを順調に進めることができた。また、RNA-seqについてのサンプルの収集を進めることができ、1年目の終盤からRNA抽出に取り組むことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
2年目は得られたSNPデータの解析を進め、アカハライモリの遺伝子浸透や網状進化が実際に起きてきたのか、中部日本系統の遺伝的な特性が、様々な他の系統の影響を受けたモザイク状のものであるかなど検証する。また、RNA-seqについてもデータを取得し、発現量の解析、一部の遺伝子のadaptive introgressionの可能性を検討する。
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Causes of Carryover |
前倒し支払請求を行い、RNA-seqの解析なども進めたが、当初想定したほどまでには進まなかったため。2022年度に当初の研究計画の予定通り、RNA-seqの解析を進める。
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Research Products
(1 results)