2022 Fiscal Year Research-status Report
Phylogenetic relationships between the Ophidiasteridae and Goniasteridae (Asteroidea): Evolution and adaptation from the deep sea to the shallow waters
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21K06327
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Research Institution | National Museum of Nature and Science, Tokyo |
Principal Investigator |
藤田 敏彦 独立行政法人国立科学博物館, 動物研究部, 部長 (70222263)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 分子系統解析 / ホウキボシ科 / ゴカクヒトデ科 / ヒトデ綱 / 深海 / 分類体系 / 祖先形質復元 / 適応形態 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度分析を開始したホウキボシ科・ゴカクヒトデ科の254標本に加えて,さらに国立科学博物館所蔵ならびに他の研究機関に所蔵されている既存のヒトデ類標本の探索を行い,対象としているこれら両科の系統の検証に必要となる両科以外の種も含めることにより,形態・分子の両面から,国内外の研究協力者(昭和大学・蛭田眞一博士,米国スミソニアン自然史博物館Christopher Mah博士,マレーシア科学大学Woo Sau Pinn博士)とともに研究を進めた. 両科が混在し両科の分類の検討に最も重要な系統については,ミトコンドリアの12S rDNA, 16SrDNA, COIと核の28SrDNA, H3を加えた5領域で系統解析を進めている.これら両科を含むアカヒトデ上目の範囲は,ミトコンドリアの12S rDNA, 16S rDNAならびに核のH3の3領域を用いて系統解析を行った.さらに今年度からは,アカヒトデ上目内のこれら両科のヒトデ綱全体の系統の中での位置づけを探るべく,ヒトデ綱の主な系統を取り出しショットガン法にてミトコンドリアゲノム全長配列の解析も加えている. これらの標本の形態観察も進め,一部の標本については,国立科学博物館が所有するマイクロCTを利用して体内の骨片の形態の観察も行った.マイクロCTの観察によって得られた形態形質は,いくつかの属を再定義する上で非常に重要であることが明らかとなった. これまで得られたデータからは,ホウキボシ科が大きく2つの系統に分かれることがわかり,そのうちゴカクヒトデ科が混在する系統が,これら両科の系統分類を解決する上で最も重要であることが示されている.そのことから,分類体系の整理については,まずはホウキボシ科を定義することから始めるべきであることが示唆されており,一部の分類学的整理については論文執筆の準備を始めた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初予定よりも,様々な種・属を広く含めて系統を分析する必要性が明らかになり,ショットガン法によるミトコンドリアゲノム全長配列の分析を加えたこともあり,データの解析等に時間がかかり,分子分析が当初予定していたよりも進捗しなかった.
当初,本年度に予定されていたヨーロッパ棘皮動物学会議がCOVID-19の影響で次年度になったため,学会発表の予定も次年度に延期することとした.
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Strategy for Future Research Activity |
シークエンス外注なども含めて効率よくデータ収集を行い,標本の分析には謝金による業務補助も取りいれて速やかに進める.
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Causes of Carryover |
分子分析の遅れ,および予定していた学会への参加がなくなったことにより,その分の次年度使用額が生じた. 次年度は次年度使用額と翌年度分として請求した次年度助成金を合わせて,謝金による業務補助ならびに外注による効率的な分析を組み合わせ,分子分析をスムーズに進める. また,今年度参加予定としていたヨーロッパ棘皮動物会議(Lyon)は,COVID-19の影響で次年度10月に延期になったため,それに参加する旅費として使用する.
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Research Products
(2 results)