2023 Fiscal Year Annual Research Report
温暖化によって高標高の森林は炭素の吸収源になるのか?:生産量と土壌呼吸の標高変化
Project/Area Number |
21K06331
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
高橋 耕一 信州大学, 学術研究院理学系, 教授 (80324226)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 炭素循環 / 土壌呼吸 / 標高傾度 / 生産量 / 胸高断面積合計値 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度はおもに,乗鞍岳の標高1600 m, 2000 m, そして 2300 m の亜高山帯針葉樹林において,土壌呼吸速度の空間的な変異について研究を行った.毎月,3標高において土壌呼吸速度を地温,土壌含水率とともに調べた.6月から10月までの毎月,土壌呼吸速度を測定した地点数は,標高1600 m, 2000 m, そして 2300 m でそれぞれ 50, 30, 50地点である.それぞれの標高に設置しているプロット内において,定間隔で測定地が設定された. 地温は3標高において、土壌呼吸速度に対して正の相関となった。土壌含水率は2000 mでは弱い正の相関となったが、他の2標高では負の相関となった。胸高断面積合計値は2000 mでは強い正の相関、2350 mでは弱い正の相関を示した。これらの結果には各標高ごとの特徴が関係していると考えられた。胸高断面積合計値と正の相関があった2000 mでは林床植生はほとんどなかったが、1600 mでは林床はササが優占し、2350 mでは低木が優占していた。ササや低木は胸高断面積合計値には反映されていなかったため、1600 m や 2350 mでは土壌呼吸速度と相関がなかったと考えられた。 研究期間中に細根の生産量,細根当たりの根の呼吸速度,土壌微生物の呼吸測定も測定してきた.研究は順調に進んでいる.今後は細根量と土壌呼吸速度の空間的な変異の関係を調べ,森林構造のパラメータから土壌呼吸速度を予測する必要がある.
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Research Products
(2 results)