2021 Fiscal Year Annual Research Report
Interaction between organisms in yet-uncultured bacterial community.
Project/Area Number |
21K06342
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Research Institution | Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
雪 真弘 国立研究開発法人理化学研究所, バイオリソース研究センター, 開発研究員 (50572773)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | シロアリ腸内細菌叢 / 乳酸菌 / 共生 |
Outline of Annual Research Achievements |
動物の腸内には、多種多様な微生物種が共生しており、それらが相互作用することで、代謝物質などの物質循環を行なっている。現在、複雑な微生物叢の解析においては、メタゲノム解析が主流であるため、個々の微生物の腸内微生物叢での相互作用を直接調べることは困難であり、推察の域を出ない。本研究では、解析対象であるシロアリ腸内細菌種のみをコントロールすることにより、その細菌種がどのように他細菌種と相互作用し、共生系でどのような役割を担っているのか等、腸内での実際の振る舞いを解明する。本研究では、モデルケースとして還元的酢酸生成細菌に必須の葉酸を供給している可能性がある乳酸菌を誘導死する遺伝子組換え体を作製し、腸内微生物叢から乳酸菌のみを取り除いた際の影響を調べ、これまで困難であった難培養微生物間の相互作用を解明することを目的とする。 ヤマトシロアリ腸内より単離した乳酸菌Lactococcus reticulitermitis JCM 32106に致死遺伝子を挿入した遺伝子組換え株の作製を試みた。まず、L. reticulitermitisの乳酸菌タンパク質発現ベクターpNZを用いた形質転換系の確立を目指した。エレクトロポレーション法によるベクターの導入法の検討を行なった。各種条件を変更し検討を行なったが、現在まで効率的な形質転換株の取得法の確立には至っていたない。乳酸菌の実験と並行してヤマトシロアリから単離されたEnterobacter sp. に関しても、形質転換株の作製法の確立を目指した。緑色蛍光タンパク質GFPを組み込んだpETベクターを用い、エレクトロポレーション法、ヒートショック法によりEnterobacter sp.への導入を試みた。その結果、形質転換株の取得に成功した。現在、この形質転換株をシロアリに摂食させ、シロアリ腸内に定着可能であるか検証中である。
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