2021 Fiscal Year Research-status Report
Synchronization of activity among individuals in a group of western lowland gorillas.
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21K06359
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Research Institution | Chubu Gakuin University |
Principal Investigator |
竹ノ下 祐二 中部学院大学, 看護リハビリテーション学部, 教授 (40390778)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | ニシローランドゴリラ |
Outline of Annual Research Achievements |
ガボン、ムカラバ・ゥドゥ国立公園(以下、ムカラバ)に生息するニシローランドゴリラの群れを対象に、1)群内の個体の活動はどのように同調しているか。どのような個体間でより同調性が高いか;2)個体間の活動の同調の程度に影響する生態学的要因は何か、の2点を明らかにすることを目的として、8月と2月の2回、それぞれ1ヶ月程度の野外調査を企画した。 しかしながら、8月は新型コロナウイルス感染症デルタ株が、2月はオミクロン株が国内で流行し、海外渡航による感染リスクを考慮し、2回とも調査を中止せざるを得なくなった。そこで、ガボン人研究協力者のEtienne Akomo氏(熱帯生態学研究所)に依頼し、調査対照群の追跡の実施を依頼した。ただし、新型コロナウイルス感染症はゴリラに感染することがわかっており、ゴリラに接近する必要のある、個体追跡法によるデータ収集は回避せざるを得なかった。とはいえ、ゴリラの群れは継続追跡していないと人慣れの度合いが減少し、追跡が困難になる。そこで、群れと観察者の距離を50m以上あけ、1日の観察時間が2時間を超えないようにして、可能な限り観察を続けた。 今後、野外調査再開にあたっては、感染リスクに配慮した観察方法を考案する必要がある。そのために、研究協力者を含め、国内外の研究者と意見交換した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
研究実績の概要に記したように、計画していた2回の野外調査がいずれも中止を余儀なくされたため、収集予定であったデータが集まっていない。 2021年度の野外調査では、事前に作成した観察プロトコルを予備観察として実際に試用し実際の観察条件に対応する修正を行うとともに、ガボン人研究協力者と現地リサーチアシスタントに観察のトレーニングを実施する予定であった。野外調査の中止によってそれも行えなかったため、実質的に研究が進展していない。
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Strategy for Future Research Activity |
2021年度に野外調査を実施できなかったため、2022年度以降の野外調査計画を変更し、残りの研究期間で当初予定していた量のデータを収集する必要がある。しかし、代表者が野外調査に振り向けられる時間は増やせない。そこで、京都大学大学院理学研究科のポスドクの田村大也を研究協力者に加え、同時に、予定していたガボン人研究協力者の野外調査の回数を増やす。それにともない、当初計画では乾期後半と雨期後半という2つの時期のデータを収集することにしていたものを、継続的にさまざまな時期のデータを収集するよう変更する。
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Causes of Carryover |
研究実績の概要に記したように、新型コロナウイルス感染症デルタ株およびオミクロン株の国内流行により、当該年度に2回、のべ2ヶ月間程度計画していたガボンにおける野外調査を中止せざるを得なくなったため、野外調査にかかる旅費の支出がしなかった。また、物品費については、調査準備中に一部購入したが、現地での必要経費も発生しなかった。そのため、未使用額を次年度に使用し、次年度の野外調査の期間を増やすこととした。
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Research Products
(2 results)