2021 Fiscal Year Research-status Report
ニューロンマイクロRNAがグリア細胞に与える影響と役割
Project/Area Number |
21K06373
|
Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
佐貫 理佳子 京都工芸繊維大学, 応用生物学系, 助教 (50607471)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | マイクロRNA |
Outline of Annual Research Achievements |
マイクロRNA-124(miR-124)はニューロン特異的に高発現するマイクロRNAであり、損傷時のニューロンはmiR-124を放出する。miR-124はグリア細胞によって取り込まれ、神経保護に寄与する可能性が示唆されているが、多くが謎のままである。これまでに癌細胞を用いたmiR-124による細胞の質の変化についてよく解析されている。本研究ショウジョウバエやマウスのグリア細胞においてmiR-124が与える効果を解明する。 ショウジョウバエはGAL4/UASシステムによって任意の遺伝子を任意の組織や細胞に強制発現することができる。そこで、UAS制御下でヒトmiR-124とAcGFPあるいはショウジョウバエmiR-124とAcGFPを共発現するショウジョウバエを作製し、グリア細胞にmiR-124を発現させて解析を行った。解析の比較コントロールとして、mockとDsRedに対するmiRNAを発現するショウジョウバエも作製した。さらに、ヒト・マウス・ゼブラフィッシュ・ショウジョウバエ・線虫の5種間で保存されているmiR-124の標的候補遺伝子を同定した。それら候補遺伝子が実際にmiR-124によって標的とされていることを確認した。さらに、標的遺伝子の発現をRNAi系統を用いて抑制して、その表現型をmiR-124過剰発現の結果と比較し、類似することを明らかにした。 また、マウス網膜のグリア細胞特異的に任意の遺伝子を発現させる方法を開発し、成功に至った。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ショウジョウバエとマウスのグリア細胞それぞれに目的遺伝子を発現させることができており、研究計画が着実に進んでいるため。
|
Strategy for Future Research Activity |
ショウジョウバエグリア細胞にマイクロRNAや目的遺伝子を発現、あるいは目的遺伝子の発現を阻害し、脳損傷を実施する。また、マウスのグリア細胞特異的に発現させた場合の効果について、免疫染色を行い細胞分化などを解析し、その影響を詳細に解析する。
|
Causes of Carryover |
英文校正を行うための費用を次年度に繰り越した。
|