2021 Fiscal Year Research-status Report
3D development of functional ordered structure in the neocortex
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21K06405
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
丸岡 久人 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 助教 (60443032)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 大脳発生 / 微小カラム |
Outline of Annual Research Achievements |
近年、我々はマウス大脳皮質の様々な皮質領野において第5層の主要なニューロンがサブタイプ特異的にカラム状のクラスター(以下、微小カラム)を形成していることを見出した(Maruoka et al., Science, 2017)。微小カラムは脳表に平行な2次元平面上で六方格子状に配列し、また生理学的解析から同一の微小カラムは機能単位として動作することを明らかにした。微小カラムはヒト脳でも観察されることから非常に重要な機能モジュールと推定されるが、その発生機構を不明である。微小カラムの発生機構について同一の微小カラムに属するニューロンはそれぞれ異なる放射状グリア細胞から新生したニューロンで構成されている(Maruoka et al., J. Neurosci., 2011)。よって同一の放射状グリア細胞由来のニューロン群がradial migrationにより集合して微小カラムを形成するという単純なモデルは否定される。そのため本研究課題では微小カラムの発生機構を明らかにすることを目指した。今年度は、これまでに脳切片で見出されてきた胎生期の微小カラムを、組織透明化法を用いて、全脳サンプルで観察可能とする実験及び解析技術を確立した。さらに同サンプルにおいて放射状繊維の空間配置を解析する基盤技術も確立した。これら技術は本研究課題の問いに答えるための重要な基盤となる。本研究課題に関連して今年度は2件の口頭発表、2件のポスター発表、1件のreviewを発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は本研究課題の問いに答えるための基盤技術の確立に注力し、順調に進捗したと評価する。すなわち3次元細胞構築を維持した全脳サンプルにおいて微小カラム構造を評価するためのAbScale法を用いた2光子顕微鏡による多色観察技術、画像データから対象となる細胞および放射状ファイバーの3次元座標を取得するプログラムの作成を完了した。これら技術は本研究課題の問いに答えるための重要な基盤となる。
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画に基づき、翌年度は今年度に確立した技術を用いて、本研究課題の中核となる仮説の検証を行う。解決すべき課題として、免疫染色において特定の細胞周期を標識可能な抗体の種類が限定的であるため、細胞周期の進行をモニターすることが可能な蛍光プローブであるFucciとの併用も検討する予定である。
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Causes of Carryover |
当初申請した研究助成額より採用された助成額が低かったため、研究計画で計上していた蛍光実体顕微鏡の新規購入を断念し、所有している蛍光実体顕微鏡を修理して使用できる範囲で再利用したため次年度使用額が生じた。翌年度は研究計画に沿って補完的に使用する。
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Research Products
(5 results)