2022 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
21K06423
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
安田 浩樹 佐賀大学, 医学部, 教授 (60294071)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
惣谷 和広 佐賀大学, 医学部, 准教授 (80415207)
向井 秀幸 神戸大学, バイオシグナル総合研究センター, 研究員 (80252758)
吉田 史章 佐賀大学, 医学部, 教授 (60529791)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | protein kinase N / グルタミン酸トランスポーター / マウス行動実験 / 不安 |
Outline of Annual Research Achievements |
代表者は先行研究において、タンパクリン酸化酵素protein kinase N1 (PKN1)をノックアウト(KO)されたマウスでは、神経型グルタミン酸トランスポーター excitatory amino acid transporter 3 (EAAT3)の発現が低下してシナプス間隙のグルタミン酸濃度が上昇するため、通常は誘発されない代謝型グルタミン酸受容体(mGluR)依存成長期抑圧が誘発されることを報告した (Yasuda, et al., Comm. Biol. 2020). 予備的な行動実験においてPKN1 KOマウスや頻回水泳した野生型マウスでは特にうつ様症状がないが不安が軽減されていることを見出した。そこで本研究課題ではPKN1ノックアウトや頻回水泳による「不安の緩衝」が中枢神経系のどの回路にどのような変化が誘発されることによって生じるか検討することにした。PKN1ノックアウトや頻回水泳によって、情動を制御している海馬歯状回の顆粒細胞においてEAAT3発現低下による興奮性が上昇するので、本年度はKN1KOや頻回水泳による「不安の緩衝」において、特に海馬歯状回興奮性上昇がどのような役割を果たしているか検討することにした。PKN1ノックアウトマウスと野生型マウスの両側腹側海馬歯状回に薬剤投与用のカニューレを挿入し、コントロール群と頻回水泳群に分けて後者には10日間頻回水泳ストレスを行う。一日は休息させて次の日からオープンフィールドテスト、明暗テスト、高架式十字迷路テストを行うが、行動実験施行前に代謝型グルタミン酸受容体阻害剤をカニューレから腹側海馬に投与して、不安の低下が抑制されるか観察している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
現在本研究課題とは別の、MRI造影剤に使用されているガドリニウムイオンのシナプス伝達への影響を、海馬スライスを使った電気生理学的手法で解析しており、そちらの実験も本研究課題と同時に行っているのでやや行動実験の進捗が遅延している。
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Strategy for Future Research Activity |
上記のガドリニウムイオンのシナプス伝達に対する作用を検討している実験は、約一ヶ月以内に終了する予定であり、論文投稿を終えれば本研究課題の行動実験に専念でき、大幅に進捗すると考えている。
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Causes of Carryover |
本研究課題と並行して、ガドリニウムイオンのシナプス伝達に対する影響を海馬スライスを使った電気生理学的手法で解析している。こちらのプロジェクトが論文投稿直前であり、最終実験中であるので、本研究課題の実験が遅延しており、予算の仕様が滞っている。現在ガドリニウムの作用のプロジェクトが終わり次第、早急に本研究課題の実験を遂行する予定である。
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Research Products
(6 results)