2022 Fiscal Year Research-status Report
Subcellular analysis of the mechanism underlying ectopic spike generation in axon
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21K06434
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
神谷 温之 北海道大学, 医学研究院, 教授 (10194979)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 軸索 / 海馬 / サブセルラー記録 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、例外的に大型の海馬苔状線維の軸索終末からサブセルラーパッチクランプによる直接記録を行い、また、苔状線維を模した最新の数理モデルに基づくシミュレーションを組み合わせ、遠位軸索における異所性スパイク発生の検証、異所性スパイクの発生部位の同定、シミュレーションによる異所性スパイクの数理モデル解析などを行う。通常の活動電位発生部位である軸索初節部ではなく、遠位軸索で活動電位が生じる、いわゆる「異所性スパイク」 について直接的に検証し、遠位軸索における異所性スパイクの発生機構について追及する。昨年度までに、カリウムチャンネルブロッカーである4-アミノピリジンの遠位軸索への局所投与による異所性スパイクのバースト発火を生じること、およびシミュレーションによる数理モデル解析で再現できることを明らかにした。本年度は、生理的条件下での軸索カリウムチャンネル阻害が異所性スパイクの発生を引き起こしうるかについて、シミュレーションを用いた検討を開始した。先行研究において海馬苔状線維に反復刺激を与えると活動電位の持続時間が延長し、苔状線維シナプスでみられる顕著なシナプス促通の一因となることが実験で示されている。これまでに構築した苔状線維モデルを用いたシミュレーションで同様の反復刺激による活動電位延長がみられることを確認した。この際に、活動電位中のカリウム電流が抑制されることから活動電位の下降相を遅延させ持続時間が延長すると考えられた。さらに、苔状軸索のカリウムチャンネルモデルの不活性化を除去したプログラムを構築し、軸索カリウムチャンネルを置換したところ、活動電位延長が完全に消失することを示した。活動電位中の脱分極によるカリウムチャンネルの不活性化の累積が反復刺激による活動電位延長の原因である可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
海馬苔状線維を模した数理モデルに基づくシミュレーションで、生理的な神経活動中の軸索カリウムチャンネルの抑制を示し、これまでの実験的研究で得られた異所性スパイクの発生に促進的に作用する可能性を示唆した。以上から、おおむね順調に研究が進捗していると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
これらの結果に関する論文投稿を進めるとともに、マウス海馬スライスを用いた単一苔状線維終末からの直接記録による実験的解析をさらに進め、反復刺激による異所性スパイク発生の可能性を検討し、シミュレーションによる検討も行う予定である。
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Causes of Carryover |
シミュレーションによる研究が進展し数理モデルの構築に注力したため、当初予定より使用額が少額であった。次年度は、構築した数理モデルの検証のためにマウス海馬スライスでの実験的検討を進め、試薬購入などの費用とする予定である。
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Research Products
(7 results)