2021 Fiscal Year Research-status Report
GABA作動性入力による発達期視床のシナプス改編ー維持の制御機構
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21K06444
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
植田 禎史 東京女子医科大学, 医学部, 准講師 (00511015)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 体性感覚 / 視床 / 視床皮質投射 / GABA作動性入力 / 持続性抑制 / ミクログリア |
Outline of Annual Research Achievements |
抑制性のGABA作動性入力の応答にはシナプスに局在するGABAA受容体を介した一過性の応答と、シナプス外GABAA受容体を介した持続性応答がある。マウス体性感覚視床はこのシナプス外GABAA受容体サブユニットの発現が特に高い領域であることが知られる。これまでの研究から、末梢神経損傷後に体性感覚視床の視床皮質投射ニューロン(中継ニューロン)において持続性抑制電流が増加することで、視床回路のリモデリングが引き起こされることが明らかにされてきた(Nagumo et al., 2020)。一方、持続性抑制電流は視床皮質投射ニューロンの膜電位を過分極化させることで、発火パターンの変化に作用することも知られる。そこで、持続性抑制電流が視床皮質投射ニューロン活動に与える影響を調べるため、末梢神経損傷による持続性抑制電流増強が、視床皮質投射ニューロンの電気生理学的特性(膜および発火特性)に与える影響を単一ニューロンからのホールセルパッチクランプ記録と、受容体発現の組織学的解析によって進めた。 また、今年度の成果として、視床回路リモデリングの電気生理学的かつ組織形態学的な解析についての方法論についてまとめ、論文として発表した(Ueta and Miyata, STAR Protoc, 2021)。今後のシナプスリモデリングの電気生理学的および組織形態学的な解析については、当該論文でまとめた方法論に立脚して進めていく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究は計画通りに進行し、その一部成果を論文として発表できた。
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Strategy for Future Research Activity |
これまで確立してきた視床回路リモデリングの電気生理・組織形態学的解析および膜特性の解析と、シナプス外GABAA受容体の遺伝学的操作に立脚し、発達期の抑制性入力、特に持続性抑制の変化が視床回路リモデリングおよび発火特性にどのように影響するか、その因果関係を明らかにしていく。
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Causes of Carryover |
当該年度に解析用PCを購入する予定であったが、世界的な半導体不足の状況でPC価格が高騰したことを受け、PC購入を次年度に延長した。
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Research Products
(6 results)