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2021 Fiscal Year Research-status Report

水分摂取行動制御のための浸透圧感知の脳内機構

Research Project

Project/Area Number 21K06446
Research InstitutionNational Institute for Basic Biology

Principal Investigator

作田 拓  基礎生物学研究所, 多様性生物学研究室, 助教 (40343743)

Project Period (FY) 2021-04-01 – 2024-03-31
Keywords体液恒常性 / 飲水行動制御 / 浸透圧センサー / Nax / SLC9A4
Outline of Annual Research Achievements

脳のうち血液脳関門を欠いた感覚性脳室周囲器官(sCVOs)は、体液のNa+濃度や浸透圧のセンサーをはじめ、体液成分のモニタリングに関わる分子が特異的に発現し、生命維持に不可欠である体液恒常性維持の根幹を担っていると考えられている。最近申請者らはsCVOsのうちの終板脈管器官(OVLT)のNaチャネル分子NaxとNa+/H+交換輸送体ファミリー分子SLC9A4が、水分摂取行動制御を担うNa+濃度センサーであることを明らかにした。しかしながら浸透圧センサーの分子の実体は、依然として不明のままである。本研究は、申請者らの同定したOVLT特異的に発現する分子群の中から、未知の浸透圧センサー分子の実体を明らかにすることを目的としており、これまでの成果と合わせて浸透圧(Na+濃度を含む)上昇時の水分摂取行動制御の脳内機構の全容解明を目指す。
神経細胞やグリア細胞が活性化する際には、細胞内Na+イオンやCa2+イオンの増加を伴う。そこで2021年度は、神経芽細胞腫細胞株Neuro 2aや神経膠腫細胞株C6に脳内浸透圧センサーの候補分子を発現させ、浸透圧の上昇に応答して細胞内Ca2+イオン濃度が増加するかをCa2+イメージングによって検討した。まず浸透圧変化によって活性が変化すると報告があるGタンパク質共役受容体群について実験を行ったが、これらについては浸透圧に応答するものが確認できなかった。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

本年度は、浸透圧変化によって活性が変化すると報告があるGタンパク質共役受容体群について実験を行ったが、これらについては浸透圧に応答するものが確認できなかった。この選択は当たれば研究が一気に進むものであったが、結果的に上手くいかなかった。今後は地道に浸透圧に応答する分子を探索していく予定である。ただ、闇雲に実験を進めるのではなく、過去の文献から候補分子に優先順位をつけ研究を進めていくつもりである。

Strategy for Future Research Activity

浸透圧上昇時の水分摂取行動制御の脳内機構の解明を目指し以下の実験を行う。まず、同定したOVLT特異的に発現する分子群の中から、未知の浸透圧センサー分子の実体を明らかにする。次に同定した浸透圧センサー分子による神経細胞活性化機構を明らかにする。
①培養細胞を用いた浸透圧応答性の解析:前年度に引き続き、脳内浸透圧センサーの候補分子が浸透圧上昇に対して応答するかを確かめる実験を行う。具体的には、脳内浸透圧センサーの候補分子を神経芽細胞腫細胞株Neuro 2aや神経膠腫細胞株C6に発現させ、浸透圧上昇に応答してこれらの培養細胞が活性化するかどうか検討する。神経細胞やグリア細胞が活性化する際には、細胞内Na+イオンやCa2+イオンの増加を伴う。そこで浸透圧センサー候補分子を発現させた細胞にそれぞれのイオンの蛍光指示薬を取り込ませ、浸透圧の上昇に応答して細胞内イオン濃度が増加するかを生細胞イメージングによって検討する。
②浸透圧センサー候補分子の発現パターンの解析:スクリーニングを行った場合、実際に目的の遺伝子が得られたかどうか確認することが必須である。そこで浸透圧センサー候補について、in situハイブリダイゼーション法や免疫染色法を用いて、マウス脳における発現パターンを検証し、OVLTに特異的に発現しているかを確認する。またOVLTでの特異的発現が確認できたものについては、その発現細胞が神経細胞かグリア細胞であるかをそれぞれのマーカーとの二重染色をすることにより確認する。

URL: 

Published: 2022-12-28  

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