2023 Fiscal Year Annual Research Report
新規抗生物質の標的分子探索を目指した病原菌の情報伝達経路プロテオームデータの創出
Project/Area Number |
21K06455
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
木下 恵美子 広島大学, 医系科学研究科(薬), 助教 (40379912)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | ヒスチジンキナーゼ / 2成分伝達系 / レスポンスレギュレータ / リン酸化 / Phos-tag / 阻害剤 / 抗生物質 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年,病原菌の環境適応,薬剤耐性などに関わる情報伝達経路(2成分伝達経路)を構成するヒスチジンキナーゼ(HK)の阻害剤の開発が国内外で進められている。その経路に含まれる一連のタンパク質,例えば,HK とペアをなすもう一つの成分であるレスポンスレギュレータ(RR)も新規抗生物質の標的となりうるが,HK とRRは化学的に不安定なヒスチジンやアスパラギン酸のリン酸化を介して情報伝達経路を行うため,質量分析による解析が適用できず,経路全体を俯瞰するプロテオームデータがない。本研究では「フォスタグ」を用いた不安定リン酸化タンパク質の解析技術を利用し,細菌のシグナル活性化と外部環境因子との関連を網羅的に解析する。そうして蓄積したデータから分子間相互作用や情報伝達機構のクロストークなどが明らかになり,阻害剤などの新規抗生物質の標的分子が浮かび上がるようになることを目的とする。 2021度は,腸管出血性大腸菌など強い病原性の株が知られる,大腸菌の2成分情報伝達経路 を再現した擬似的な大腸菌を作成した。大腸菌には, HK とRRが 29 組あるので,それら計 58 遺伝子をクローニングした。1ペアについて HKと RR を互いに異なる複製開始点を持つ2種類の発現プラスミドにそれぞれサブクローニングした。8種類の発現プラスミドを用いて,良好に発現する組み合わせを検討し,3組で,HK とRRの共発現が可能だった。 2022年度は,他のHK とRRについても発現プラスミドにサブクローニングを行った。良好に発現する遺伝子と発現できない遺伝子があり,できるだけ多くの遺伝子が発現できるよう検討を続けている。 2023年度は,病原性発現に関わるHKの発現に伴うトランスクリトーム変化を調べるRNAseqを行った。大腸菌でHKのEvgS (活性型)の発現に伴って発現が上昇あるいは下降した遺伝子を特定した。
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Research Products
(2 results)
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[Journal Article] Characterization of zinc(II) complex of 1,4,7,10-tetraazacyclodecane and deprotonated 5-fluorouracil (FU) in crystalline/solution states and evaluation of anticancer activity: approach for improving the anticancer activity of FU。2023
Author(s)
Ichimaru, Y., Kato, K., Nakatani, R., Augiura, K., Mizutani, H., Kinoshita-Kikuta E., Koike, T., Jin, W., Imai, M., Kurosaki, H.
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Journal Title
Inorg. Chem. Comm.
Volume: 147
Pages: 110221
DOI
Peer Reviewed
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