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2021 Fiscal Year Research-status Report

syntheses of multisubstituted heterocyclic compounds using ligand-controlled site-selective reactions

Research Project

Project/Area Number 21K06457
Research InstitutionUniversity of Shizuoka

Principal Investigator

山口 深雪  静岡県立大学, 薬学部, 助教 (70548932)

Project Period (FY) 2021-04-01 – 2024-03-31
Keywords複素環化合物 / 合成 / 触媒 / 配位子 / 位置選択性
Outline of Annual Research Achievements

今年度は、様々な多置換複素環化合物の効率的合成に役立つと期待される、新規位置選択的触媒反応の開発と、それらの反応を活用した多置換複素環化合物群の効率的合成について検討を行った。従来行われてきた基質による位置選択性制御に代えて、パラジウム触媒とともに用いる配位子により位置選択性を制御することを特徴とする反応の開発を行った。配位子の使い分けにより、複数の反応点を持つ基質において位置選択的に反応を進行させ、インドレニンや2H-ピロールなどの合成例の少ない骨格を含む様々な置換化合物を得ることを目指した。
まず、2,5-二置換ピロールの位置選択的アリール化について検討を行い、適切な配位子を用いることで様々な2,2,5-三置換2H-ピロール類および2,3,5-三置換1H-ピロール類が収率よく得られることを見出した。さらに本合成により得られた2,2,5-トリアリール2H-ピロールを変換し、様々な2,2,5-トリアリール-1-ピロリン類、2,2,5,5-テトラアリール-3-ピロリン類および2,2,5,5-テトラアリールピロリジン類を得た。
また、無置換1H-ピロールの位置選択的アリール化についても検討し、用いる配位子により位置選択性が大きく変化し、ピロールのC2位あるいはC3位で優先的にアリール化が進行することを見出した。
さらに、トリプタミン誘導体の脱芳香族的C3位選択的アリール化と分子内環化を連続して行うピロロインドリン合成についても検討を行った。その結果、適切な保護基を用いることで反応が良好に進行し、目的のピロロインドリンを中程度から高い収率で得られることを見出した。また、保護基の脱保護条件についても最適化を行い、より有害性の少ない試薬で温和に脱保護可能な条件を探索した。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

2,5-二置換ピロールの位置選択的アリール化による2,2,5-三置換2H-ピロール類および2,3,5-三置換1H-ピロール類の合成においては、医薬品を含む様々なクロロアレーンやアリールトリフラート、アリールノナフラートをアリール化剤として用いて反応を行い、目的物を得ることができた。さらに、2,2,5-トリアリール2H-ピロールの変換による多置換ピロリン類および多置換ピロリジン類の合成についても、様々な化合物の合成を達成した。この研究成果については、現在論文発表に向けて準備を進めている。
また、無置換1H-ピロールの位置選択的アリール化については、パラジウムと共に用いる配位子により位置選択性が大きく変化することを見出した。今後、特にC3位選択的アリール化について、位置選択性の向上を目指し、反応条件のさらなる検討が必要であると考えている。また、基質適応範囲の拡大についても今後検討を行う必要がある。
一方、トリプタミン誘導体のC3位選択的アリール化/分子内環化によるピロロインドリン合成については、目的物を得ることに成功しているが、収率や基質適用範囲に改善の余地がある。今後、反応条件のさらなる最適化と基質一般性の拡大に向けた検討がさらに必要であると考えている。また、保護基の除去についてもさらに検討を進める必要があると考えている。

Strategy for Future Research Activity

(1)既存の配位子と異なる位置選択性および反応性を示す新規配位子の創製と新規反応の開発
ヒドロキシ基含有ホスフィン配位子を基に、置換基の導入や骨格変換により新規配位子を合成し、評価を行う。また並行して、様々な配位子を用いた新規位置選択的反応を探索する。これにより、従来の配位子を用いた場合とは異なる位置選択性や、より高い位置選択性・反応性を示す反応を見出す。さらに、速度論研究を行うと共に、単結晶X線構造解析、NMR、MSなどの手法により反応の触媒活性種や中間体を検出、同定し、得られたそれらの構造や存在量などの情報を基に反応機構を解明する。
(i) C3位側鎖に求核基をもつインドール誘導体のC3位選択的アリール化によるピロロインドリン類などの合成:3-アルキルインドールの脱芳香族的C3位アリール化によるインドレニン合成を発展させ、C3位側鎖に求核基を有するインドール誘導体を基質として、アリール化後に連続して分子内環化を行い、ピロロインドリンなどの縮合多環構造を持つインドリン誘導体を合成する。
(ii)様々な1H-ピロール類のC3位選択的直接アリール化:2,5-二置換1H-ピロールの位置選択的アリール化で得た知見を基に、無置換1H-ピロールのC3位選択的直接アリール化についても、さらに配位子などの反応条件を検討する。そして見出された最適条件を用い、種々の3-アリール-1H-ピロール類を合成する。
(2)位置選択的反応を活用した多置換化合物類およびその誘導体の合成
本研究で開発した位置選択的反応を用い、インドリン類やピロリジン類などの様々な多置換飽和複素環化合物を合成する。例えば、無置換1H-ピロールの位置選択的直接アリール化を活用し、従来合成が困難であったすべて異なるアリール基を持つ2,3,4,5-テトラアリール1H-ピロールなどを得ることを目指す。

Causes of Carryover

(理由)
令和3年度は、研究室にすでにあったガラス器具や装置などを多く活用して研究を行うことができたため、これらを購入した金額が当初の予想よりも少なかった。また、支出のほとんどが試薬類や消耗品であり、それらについても当初の予想よりも支出が少なかった。また、令和3年度はこれまでの研究成果を学会において発表したが、参加した学会はすべてオンライン開催となり、旅費の支出が全くなかった。
(使用計画)
令和4年度はこれまでの研究をさらに発展させるため、実験を行うにあたり必要となる様々な試薬類、ガラス器具、装置などを購入する予定である。また、得られた成果を論文として発表するための英文校正の費用にも充てる予定である。加えて、令和3年度に得られた研究成果を積極的に様々な学会に参加して発表していく計画であり、学会参加費および旅費として支出したいと考えている。

  • Research Products

    (5 results)

All 2022 2021

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results) Presentation (4 results)

  • [Journal Article] Synthesis of Multisubstituted Benzofurans/Indoles Using Multichlorinated Phenols/Anilines via Palladium-Catalyzed Site-Selective Sonogashira Coupling2022

    • Author(s)
      Miyuki Yamaguchi, Kei Manabe
    • Journal Title

      Heterocycles

      Volume: 104 Pages: 3-26

    • DOI

      10.3987/REV-21-964

    • Peer Reviewed
  • [Presentation] 2,2,5-三置換2H-ピロール類の変換による2,2,5,5-四置換ピロリジン類の合成2021

    • Author(s)
      森結季子、山口深雪、眞鍋 敬
    • Organizer
      第67回日本薬学会東海支部大会
  • [Presentation] Pd触媒を用いる無置換1H-ピロールの位置選択的アリール化による多置換ピロール合成2021

    • Author(s)
      中井研壱、山口深雪、眞鍋 敬
    • Organizer
      第50回複素環化学討論会
  • [Presentation] Pd触媒によるトリベンゾオキセピンの一段階合成法の開発2021

    • Author(s)
      木下恵介、山口深雪、眞鍋 敬
    • Organizer
      第50回複素環化学討論会
  • [Presentation] Pd触媒によるビフェニル-2-オールとクロロアレールンとのC-Hアリール化の開発2021

    • Author(s)
      木下恵介、山口深雪、眞鍋 敬
    • Organizer
      日本病院薬剤師会東海ブロック・日本薬学会東海支部合同学術大会2021

URL: 

Published: 2022-12-28  

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