2023 Fiscal Year Annual Research Report
生合成経路を模倣する生物活性メロテルペノイドの全合成研究
Project/Area Number |
21K06458
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
中村 精一 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(薬学), 教授 (90261320)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | メロテルペノイド / バークレーオンB / ポリエン環化反応 / 架橋四環性化合物 / 閉環メタセシス |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでの検討の結果、基質の合成に必要な工程数の大幅な削減、ポリエン環化反応におけるC8位置換基の種類および立体化学の影響が明らかになった。そこで、これまで全合成が全く報告されていないバークレーオンBの初めての全合成に向け、ポリエン環化反応で得られた架橋三環性化合物の変換を試みた。第二級アルコールを酸化してケトンに変換した後、A環構築に必要な五炭素ユニットの導入法について検討を行った結果、イソプレン構造をもつスズ化合物の付加が立体選択的に進行することが明らかとなった。生じたテトラエンの閉環メタセシスは通常の条件下で位置選択的に進行し、A-Dの四環を備えた化合物が高収率で得られた。続くLemieux-Johnson酸化は立体障害の少ないA環部エキソメチレンの選択的開裂に有効であり、第三級アルコールを脱離させてC14-C15位間に二重結合を導入した化合物に誘導した。徹底メチル化によりA環への置換基導入を完了した。D環部に関しては酸化度を揃える必要がある。まずシリルエーテルを脱保護した後、生じたアルコールを酸化した。塩基性条件下でケトンのα位をメチル化してからエノールトリフラートに変換するとアリル位の酸化が可能になり、段階的な酸化によりC10位をカルボニル基に変換することができた。トリフラートを塩基性条件下で加水分解してからm-CPBAを作用させることで、D環部の官能基化を達成した。これで、全合成に向けてA環部の官能基化を残すだけとなった。
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