2022 Fiscal Year Research-status Report
Development of a novel method for constructing a heterocyclic skeleton using ring opening of a small ring compounds
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21K06465
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Research Institution | Kobe Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
上田 昌史 神戸薬科大学, 薬学部, 教授 (00340935)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | ヘテロ環合成 / 金触媒 / 連続反応 |
Outline of Annual Research Achievements |
令和3年度は三員環の開環を利用するインドール骨格の構築反応の開発に成功したので、令和4年度は五員環および六員環の開環を経由するヘテロ環合成を検討した。特に、プロピオールアミド誘導体を合成素子とするヘテロ環構築反応の開発研究を実施した。 まず、ピペリジン環を有するプロピオールアミドに触媒としてヨウ化金を加熱下で作用させると、閉環反応、開環反応、転位反応および閉環反応が連続的に進行し、環拡大したN-N縮環構造をもつピラゾロジアゼピン骨格を容易に合成できることを見出した。本反応の特徴は、簡便な操作で原子効率の高い環拡大反応が進行し、七員環構造をもつ縮環型ジアゼピン化合物群を合成できることである。 次に、イソオキサゾリジン環をもつ環状N-アルコキシプロピオールアミドの分子内環化反応と、それに続く開環と置換基導入(アリール化)を一挙に行う連続反応の開発研究を実施した。種々検討の結果、アリール化剤としてアリールボロン酸、触媒としてPPh3AuNTf2、酸化剤としてselectfluor、溶媒としてDMF および少量の水を用いると、期待した連続反応が円滑に進行し、すべての位置に置換基を有する3-(2H)-イソオキサゾロンが収率良く合成できることをを見出した。本反応は様々なアリール基を導入することが可能であり、反応性の高いケトカルボニル基やヨード基をもつアリールボロン酸も利用できることから、優れた官能基許容性を有していることが明らかになった。また、実験化学的なデータと量子化学計算を組み合わせることで、反応経路を導き出すことにも成功した。さらに、本反応で得られたイソオキサゾロンの官能基変換を行い、特徴的な蛍光特性をもつ四環性ヘテロ環への誘導にも成功した。 以上のように、令和4年度は、基質のもつ環構造の開環と閉環を連続的に引き起こすことで、環骨格を組み替える新規反応の開発に成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
本研究課題遂行中に見出した連続するヘテロ原子の特異な反応性を利用する連続反応に関する研究が飛躍的に進展し、ヘテロ環骨格の組み換え反応を基盤として、新規反応および新規ヘテロ環骨格の構築法の開発に成功した。当初予定していた研究よりも、基質の合成の容易さや官能基許容性、汎用性などが優れており、社会的な波及効果もより大きな研究となっている。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の研究計画にしたがって、シクロプロパン環の環拡大を基盤としたピラゾール環の合成法の開発研究を実施する。また、アジリジン環の環拡大反応にも展開する。さらに、令和4年度の研究において、環状アミンを有するプロピオールアミドの触媒による閉環反応によってスピロ構造をもつ第四級アンモニウム中間体が生成することを見出した。そこで、この新規スピロアンモニウム中間体の反応性に着目し、窒素-窒素結合の開裂とC-H挿入を鍵とするピリミジノン環の合成を検討する。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた理由:研究に飛躍的な発展があったため交付申請書よりも使用額が増えたが、昨年度の未使用分があったことにより、次年度使用額が生じた。 使用計画:試薬、溶媒の購入費に約850,000円、人件費・謝金に約150,000円を利用する予定である。
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Research Products
(13 results)