2021 Fiscal Year Research-status Report
Development of Comprehensive Direct Synthesis of Unprotected Amines and Amino Acids Using Hybrid Catalyst Systems
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21K06477
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
森本 浩之 九州大学, 薬学研究院, 講師 (20593867)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 無保護ケチミン / ハイブリッド触媒 / 無保護アミン・アミノ酸類 / カルボニル化合物 / ワンポット反応 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、窒素上無保護ケチミンの触媒的合成法と無保護ケチミンへの触媒的求核付加反応を基盤として、ハイブリッド触媒系を活用した無保護アミン・アミノ酸類の網羅的な直接合成法を開発することを目的としている。本研究により、合成可能な四置換炭素含有アミン類の構造多様性を飛躍的に向上させ、加水分解を受けにくく強固な三次元構造を構築可能な四置換炭素含有非天然アミノ酸類などの含窒素化合物合成を通じて、環状ペプチドなどの中分子を含む医薬化学研究への貢献を目指した。 上記の方針に基づき研究を遂行した結果、本年度は以下の成果が得られた。まず、無保護ケチミンに対するStrecker反応の開発を行ったところ、二官能性有機触媒を用いることで、イサチン由来の無保護ケチミンに対して、目的の窒素上無保護の非天然アミノ酸誘導体が高い収率およびエナンチオ選択性で得られることを見出した。本触媒系は種々のイサチン由来の無保護ケチミンに適用可能であり、生成物は種々の変換反応を行うことで種々の非天然アミノ酸誘導体へと変換可能であった。 また、上記の二官能性有機触媒が、カルボニル化合物からの無保護ケチミン合成も触媒するという興味深い知見を見出した。これにより、中間体の無保護ケチミンを単離することなく、カルボニル化合物からワンポットで直接窒素上無保護の非天然アミノ酸誘導体が合成可能となった。この結果を活用し、カルボニル化合物から4工程を中間体を単離することなくワンポットで実施し、生物活性物質の世界最短工程合成を実現した。以上の研究により、従来必要であった保護・脱保護工程に加えて、単離工程も省略することが可能となり、廃棄物の低減化によるより環境調和性の高い有機化合物合成手法が実現できた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
本年度の研究により、無保護ケチミンに対する新規触媒反応を実現できた。また、二官能性有機触媒を用いることで、無保護ケチミンを合成可能であることも新たに見出すことができた。さらに、これらの結果を活用することで、生物活性を有する非天然アミノ酸誘導体の高効率的なワンポット合成を達成した。以上の成果から、当初の計画以上に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究については、無保護ケチミンに対する反応のさらなる展開を進めていく。特に、同様のワンポット型反応を実現可能とするための積極的に研究を展開し、環境調和型合成法を活用した非天然アミノ酸誘導体のさらなる拡充を目指して検討を進めていく。
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Causes of Carryover |
本年度は、当初の計画よりも試薬などの物品費や旅費などを抑えることができたため、次年度使用額が生じた。一方で、次年度は触媒反応開発に必要な試薬などの購入や学会参加などが予定されており、次年度使用額を含めて使用していく予定である。
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