2022 Fiscal Year Research-status Report
ブテノリドの性質を巧みに利用する新規反応開発とジベレリン類の短工程全合成研究
Project/Area Number |
21K06481
|
Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
大多和 正樹 北里大学, 薬学部, 准教授 (70453503)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | ブテノリド / 天然物合成 / 反応開発 |
Outline of Annual Research Achievements |
5 員環のα,β-不飽和ラクトンであるブテノリドの特徴的なラジカル及び極性反応に着目し、それらの特徴を最大限に活かした、反応開発から天然物合成までを 網羅する包括的研究を進める。申請者らは先行研究にてブテノリドからの直接的な新規ラジカル発生法の開発に成功していることから、それを基盤とした 1) ブ テノリドラジカルを介した新規反応開発研究、ならびに 2) ブテノリドの特徴的なラジカル/極性反応を駆使した真に効率的なgibberellin類の全合成研究を行う。
1)については、現在種々の置換ブテノリドに対するダイマー化の基質一般性が検討され、本反応は多様なブテノリドのラジカル的なダイマー化に対応していることを明らかにした。 一方2)については、ブテノリドの特徴的な極性反応を応用し、鍵となるタンデム環化反応の開発に成功した。しかしタンデム環化前駆体の合成に10工程を有したことからその短工程化を試み、検討の結果、原料からわずか3工程でタンデム環化前駆体の合成に成功した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ブテノリドラジカルを用いた反応開発については、現在基質一般性の検討がおおよそ完了し、現状順調に研究は進んではいるものの、より研究のスピードアップを図りたい。 また全合成研究については、鍵反応までは理想的な合成経路を構築することができた。従って、研究期間内での全合成達成へ向けておおむね順調であると考えている。
|
Strategy for Future Research Activity |
反応開発研究は分子内環化反応への応用を検討する。またNi触媒を用いたラ ジカル的カップリング反応の検討にも着手していきたい。 一方全合成研究は、鍵反応成績体を短工程かつ良好な収率で得ることができたため、引き続き全合成達成へ向けて合成経路の構築を行っていく。
|
Causes of Carryover |
順調に研究が進行したこともあり、想定していた物品費を下回った。しかしながら2023年度の研究では最終年度ということもあり想定以上の物品費(試薬/溶媒などの消耗品)が必要になることが予想されるため、繰越金は2023年度の物品費として使用したい。
|
Research Products
(12 results)