2023 Fiscal Year Annual Research Report
Development of bifunctional catalytic antibody aiming at innovative therapeutic drug for Alzheimer's disease
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21K06486
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Research Institution | Suzuka University of Medical Science |
Principal Investigator |
田口 博明 鈴鹿医療科学大学, 薬学部, 教授 (20549068)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
一二三 恵美 大分大学, 全学研究推進機構, 教授 (90254606)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 抗体酵素 / アルツハイマー病 / アミロイドベータ / タウタンパク質 / クリックケミストリー |
Outline of Annual Research Achievements |
令和5年度は以下に示す(1)-(3)について行った。 (1)軽鎖抗体とその変異体のペプチド加水分解能の検討:前年度は、アミロイドベータ(Aβ)ペプチドに特異的な抗体医薬品であるアデュカヌマブの軽鎖(H28)と、その95番目のプロリンを除去した変異体(H28ΔPro95)について、加水分解能と基質特異性の検討を行った。今年度はAβ1-40、Aβ1-20、Aβ11-30およびAβ26-33を含む消光性蛍光基質(FRET-Aβ26-33)を用いて加水分解能を評価した。H28およびH28ΔPro95は、FRET-Aβ26-33を加水分解したが、Aβ1-40、Aβ1-20、Aβ11-30を加水分解しなかった。この結果と昨年の結果より、軽鎖抗体はIgGと比較しAβに対する親和性が低下したと考えられる。また、アデュカヌマブがAβに対する高い親和性を有することから、Aβへの高い親和性を維持するためにはアデュカヌマブの重鎖が必要であることが示唆された。 (2)分子モデリングによる構造解析:昨年度作成したH28とH28ΔPro95の分子モデルについて詳細な解析を行い、触媒部位を推測し、H28とH28ΔPro95の触媒部位近傍を詳細に比較した。その結果、Asp70-Arg24-Thr22よりなる触媒部位が推測され、変異体ではこれらアミノ酸が相互作用するのに好ましい位置関係になっていた。 (3)軽鎖抗体二量体化のためのリンカーの合成検討:前年度に引き続き2量体化の反応収率向上を目指し、軽鎖抗体のC末端に存在するシステインにマレイミド化学を用いた2量体化を計画した。リンカー長の最適化には、scFVに用いられるテトラペプチドユニットを用い、ホモダイマーの合成には、ペプチドユニットの両端にLysを結合し、ヘテロダイマーの合成には、N末端をマレイミド化しC末端にジアゾリジンを用い合成を進めている。
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