2021 Fiscal Year Research-status Report
時間軸上で変化する代謝と糖鎖の関係解明に向けた高スループット糖鎖解析システム開発
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21K06505
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Research Institution | Kindai University |
Principal Investigator |
木下 充弘 近畿大学, 薬学部, 教授 (40330279)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | マイクロチップ電気泳動 / 糖タンパク質糖鎖 / 高スループット / レクチン |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度においては、研究期間開始前より着手していた全自動マイクロチップ電気泳動装置を用いる、糖タンパク質糖鎖分析法の各種条件について詳細に検討し、リニアーポリアクリルアミドケルを含む緩衝液系にて、8-アミノピレン-1,3,6-トリスルフォネート標識された糖鎖を、高い分離能を発揮ししつ100秒以内に分離可能な条件を開発することに成功した。また、確立した方法を開発済みの迅速簡便な糖鎖試料調製法と組み合わせて用いる一連の糖鎖解析ワークフローの実行可能性について検証した。その結果、精製糖タンパク質試料およびヒト血清糖タンパク質からの糖鎖試料の調製から糖鎖プロファイリングまでを同一日中に完了できることを実証できた。さらに、レクチンを用いた糖鎖ピークの自動アノテーション法についても検討を開始した結果、レクチンとしてConA、DSA、WFAを組合せて用いることで、糖鎖のコア構造を明瞭に識別できることを明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究課題申請前において、既に糖鎖試料調製と糖鎖分離に関する予備検討を開始していたこと、新型コロナ禍においてもその高スループット性を活かすことができたため、研究を滞りさせることなく進展させることができたと判断されるため。
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Strategy for Future Research Activity |
(1)マイクロチップ電気泳動における糖鎖分離条件の最終確定 (2)96ウェルフォーマットによる糖鎖試料調製法の確立 (3)糖鎖サイズ情報とレクチンによるN-結合型糖鎖のアノテーション法の確立 (4)正常皮膚老化モデル細胞の糖鎖プロファイル変動の追跡
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Causes of Carryover |
令和3年度は、申請課題の遂行に必要な器具類、試薬類は不足なく購入したものの、新型コロナ禍において、予定していた学会参加が叶わなかったため、旅費相当分が未使用となった。
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