2022 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21K06534
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
齋藤 康昭 北里大学, 薬学部, 助教 (00631730)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 老化 / D-アミノ酸 / 線虫 |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年度は、AlaラセマーゼN末端ドメインを持つ機能未知タンパク質およびシスタチオニンリアーゼの組換えタンパク質が微弱ながらAlaラセマーゼ活性を持つことを明らかにした。2022年度は、Alaラセマーゼ活性を持つタンパク質をさらに見つけるために、Serラセマーゼホモログの組換えタンパク質の機能解析を行った。しかしながら、本酵素はAlaラセマーゼ活性を有していないことが明らかになった。 2022年度は、これらのタンパク質をそれぞれ欠損させた線虫変異体体内のD-Ala含量をHPLCにより定量し、老化に伴ったD-Ala含量の増加が抑制されるか解析した。その結果、いずれの変異体においても野生株と同程度の老化に伴うD-Ala含量の増加が認められた。これらのタンパク質は老化に伴うD-Ala含量の増加に貢献していないことが示唆された。 D-Alaなどの中性D-アミノ酸を分解するD-アミノ酸オキシダーゼの発現量は老化に伴って低下することが報告されているから、老化に伴うD-アミノ酸オキシダーゼの発現量の低下によってD-Alaが増加している可能性が考えられる。しかしながら、D-アミノ酸オキシダーゼ欠損線虫変異体体内のD-Ala含量は若齢成虫および老齢成虫において野生株と同程度であり線虫D-アミノ酸オキシダーゼはD-Alaを生理的基質としないことから、その可能性は低いと考えられる。 今後は、線虫腸管内に存在する餌の大腸菌が線虫の老化に伴って蓄積することによりD-Ala含量が増加する可能性を検討する予定である。
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Research Products
(3 results)