2023 Fiscal Year Research-status Report
Activity/psychosis-dependent molecular plasticity around synapses in vivo
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21K06541
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Research Institution | Tokushima Bunri University |
Principal Investigator |
山田 麻紀 徳島文理大学, 薬学部, 教授 (00312281)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤島 利江 徳島文理大学, 薬学部, 教授 (90286980)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 記憶 / Engram / 可塑性 / 認知 / 神経細胞 / 回路 / c-Fos / Arc |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究グループでは認知症モデル動物の海馬で減少が見られた分子CapZを、生理的可塑的変化がおきた神経細胞・スパインを同定するツールとして応用している。具体的には、EGFP-CapZをマウス脳に発現させるTransgenic Mouse(AiCE-Tg)を作成・使用している。既に脳への入力依存の、ごく一部のシナプス(スパイン)での分子変化を捉え(EGFP-CapZが15-20分後に入力側で増加)、論文(DOI :10.1038/s41598-020-72248-4)に2020年に報告した。これは、実際の生体脳での入力依存シナプス初期変化の物質的証明であり、記憶の成立が入力依存であることから、記憶の分子科学解析の手がかりになりうる。当初、EGFP-CapZに融合させてあったHAtagでのHA-PullDownにより「可塑的変化をした一部のシナプス」の分子同定を試みてきた。しかし、繊維状アクチンによる巻き込みが示唆されデータの信頼度が充分に得られないと判断し、入力と薬物によるスパインでのEGFP-CapZ変動の部分のみで(PullDown解析とは別の)論文にまとめることにした。 分子解析としては方向を変え、刺激2時間後の細胞レベルでのEGFP-CapZ陽性神経細胞の解析を行った。EGFP-CapZは、入力依存的に発現すること、ArcをPromoterとしてDriveしているがタンパク発現細胞としては異なっている(~翻訳や分解の制御が関わる)こと、c-Fosとは発現神経細胞としての重なりは有るものの量的相関はないこと、等のデータが得られた。ここまでのデータはCSH-Meetingで発表した。また発現分子の網羅的totalRNA発現解析を行い、Cell SorterでEGFP蛍光強度により分離したEGFP-CapZ強陽性細胞群と(中程度)陽性細胞群とで変化のあった分子を同定した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究上、慎重に誠実に行うべき点があり足踏みすることがあった。しかし方針を切り替えて一定の結果は得ている。
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Strategy for Future Research Activity |
EGFP-CapZ強陽性細胞群と中程度陽性細胞群とで発現強度に変化のあった分子を同定しているので、解析を深める。また、そもそも、注目している大脳皮質一次視覚野について可塑的変化がAdultでも起きうるというデータが重要なので、その点の補強も試みる。具体的には、申請者は視覚野の可塑的変化の生理学的データをPreliminaryに保持していたため本研究を進めて背景があり、その点の確定も共同研究で進めている。
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Causes of Carryover |
研究の方向を再検討することになったため。新しい方向の研究を遂行するために使う。具体的には細胞レベルでの解析により、「記憶担当細胞」候補の新しい分子マーカー(今まで使われてきたc-fosとは別の神経細胞集団)の同定に挑む。
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